プレミアリーグの時間BACK NUMBER
「サッカー界への殺人未遂」欧州SL崩壊も… プレミアが悩む“選手の給与高すぎ+外資系オーナー問題”の解決策はあるのか
posted2021/05/04 17:03
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
Getty Images
「アイル・ビー・バック」
ご存じ、映画『ターミネーター』シリーズの名セリフだ。
4月18日の創設発表が、イングランドのサッカー界の破滅をも危惧させた欧州スーパーリーグ(ESL)を巡る騒動にも、続きがありそうだ。
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同リーグ初代会長となるはずだったフロレンティーノ・ペレス(R・マドリー会長)が、プレミアリーグの6クラブを皮切りに脱退が相次いでも「プロジェクトは継続される」と反応したように、再び「新欧州最高峰リーグ」を謳い文句に戻って来るに違いない。
"ファン・パワー"に物を言わせてESLを退散させたイングランドでも、そのときに向け準備を進めておかなければならない。
「サッカーの母国」を自負する国内において、ボリス・ジョンソン英国首相が「カルテル」と呼んだESLの誘いに、「ビッグ6」が揃って手を挙げるような事態の再現は許されない。マンチェスター・ユナイテッド、リバプール、アーセナルを統率するアメリカ人投資家、チェルシーのロシア人富豪、マンチェスター・シティのアブダビ王族、そしてトッテナムの英国人税金亡命者というオーナーたちが軽視した庶民の文化、日常生活の一部としてのサッカーの存在価値を守り続けなければならない。
メディアで"フットボール・ユナイテッド"と形容された、クラブ間の党派を超えた人々の一致団結が産み出した勢いを失うことなく、変革に乗り出すべきときを迎えている。国内のサッカー界に対しては「リセット」「リストラクチャー」「リフォーム」といった言葉が以前から投げかけられていた。
変革における最重要点は2つ
変革における最重要点は2つ。いずれも、スポーツ関連の政務次官とサッカー指導者の有資格者という背景を持つ、トレイシー・クラウチ下院議員の指導で進むレビューの検討項目とされている事実は歓迎できる。
その1つは、サポーターの発言権だ。ESL創設メンバー入りを決めたプレミア6クラブが犯した最大の罪は、ファンを完全に無視した姿勢にある。
クラブにとって、ファンは選手と並んで最大の資産と位置付けられるべきものだ。