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ジーコの現役ラストゴールとアルシンドの予言…相馬直樹監督が語る鹿島アントラーズ「12番を着けたみんなと約束できること」とは?
posted2021/05/07 11:02
text by
池田博一Hirokazu Ikeda
photograph by
J.LEAGUE
「小学生のころの夢は?」
そう聞かれたら、「海外のクラブでプレーすること」と即答してきた。
「きっと変わった子どもだなと思われていたと思いますよ」
相馬直樹が、はにかんで笑う。それもそうだろう。小学生だった1980年代には、まだJリーグがなかったのだから。
日本にプロサッカー選手という概念がない時代のことだ。それでも、サッカーどころ静岡県で生まれ育ったからなのか、情報のアンテナは色濃いものだった。
「奥寺康彦さんがドイツに行ってプロサッカー選手になっていましたよね。だから、その道を目指す。それを当たり前に考えていました」
子どもの頃から、常に今以上の自分を目指してきた。
「何かをやり遂げるためには、我慢しなければいけないことが出てくる。そこは我慢してきたし、やるべきことはしっかりやらないといけない。練習は裏切らない。だからこそ、人が10回やるならその倍やればいいと思ってきたタイプ。そういったものがベースにあると思っています」
その心は、プロになっても変わらなかった。
8つのタイトルに貢献
1994年、早稲田大学から鹿島アントラーズへ加入した。初年度から公式戦30試合出場。2年目からは日本代表にも選出され、4年連続でJリーグアウォーズでベストイレブンに選ばれた。アントラーズで8つのタイトルを獲得。選手として、大きな実績を残した。
なぜ、ここまでの選手になれたのだろうか。
「やっぱり向上心ですかね。それは子どもの頃からそうだったので、それが支えてくれた部分。もっと上へ上へという気持ちが強いタイプでしたから」