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「棋士に学歴は必要ない」vs「先生と同じでは、先生止まり」… 中学生の米長邦雄が師匠と対立、鉄拳を浴びた日
text by
田丸昇Noboru Tamaru
photograph byKyodo News
posted2021/05/04 11:01
昭和45年ごろの米長邦雄永世棋聖
母親からは「勉強したことはきっと……」
結局、佐瀬は「お前の好きなようにしろ」と、いったん引き下がった。それでも米長の母親の花子さんに、便箋に六枚もの長い手紙を書いて説得してもらおうとした。しかし、花子さんは「将棋で成功しても、うまくいかなくても、勉強したことはきっと役に立つ」と考え、米長の高校進学を支持した。
米長は「師匠は高卒はいけない。それでは一流棋士になれないと言っています。どうしたものだろうか……」と、進学の問題で母親に相談すると、「佐瀬先生の言うことは当たり前だ。お前は間違っている。これからは、どんなところでもいいから大学くらいは出ておきなさい。高卒は駄目だ」との返事だったという。
<長嶋茂雄らとの交友編に続く。関連記事からもご覧になれます>
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