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高卒ドラ1がオコエ、平沢ら、大卒は森下…97年世代の評価とは? イチローや松坂、ハンカチ世代など“当たり年”と比べると
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News/Hideki Sugiyama
posted2021/04/16 11:02
オコエ瑠偉らの1997年生まれの世代は2021年で24歳となる。まだまだここからの奮起に期待したい
3月1日にヤクルトから巨人に電撃移籍した廣岡大志は4月13日の中日戦で、エース大野雄大から決勝ホームラン。巨人ファンに名刺代わりの一発を打った。
昨年9月、育成から支配下登録された大下誠一郎はユニフォームが間に合わなかったため打撃投手の背番号「102」のユニフォームを借りて出場したが、その試合で決勝本塁打。ずば抜けた大声で、今や「オリのヤジ将軍」になっている。
前述のとおり、森下は高校3年生の段階でU18に選ばれたものの、先発したのはチェコ戦だけ。「二番手クラス」とみなされ明治大に進み、大学屈指の投手になって広島に入り、昨年は新人王。今季はすでにエース格だ。
東北福祉大からドラフト3位でソフトバンクに入った津森宥紀は今季、流れるようなサイドスローでセットアッパーとして活躍。勝利の方程式に組み込まれつつある。
中日の小笠原慎之介は高卒1年目から一軍で投げていたが5勝どまり。しかし今季は先発3試合で防御率1.45、ようやく安定感が出てきた。
オコエ瑠偉だって、今年7月の誕生日でまだ24歳。ここからV字回復の可能性はある。
高卒選手の大半が1500安打、150勝を達成するだけに
高卒選手はプロのキャリア開始が大卒より4年早い。このために2000本安打、150勝などの大記録の大半は高卒選手が達成する。その点でいえば、高卒が現在まで不発だった1997年度生まれは、すでに世代としては「はずれ年」と見られる可能性が高い。
世代論としてはそうだが、選手個々の可能性は閉ざされたわけではない。彼らの成長、躍進を気長に見て行きたい。