酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
高卒ドラ1がオコエ、平沢ら、大卒は森下…97年世代の評価とは? イチローや松坂、ハンカチ世代など“当たり年”と比べると
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News/Hideki Sugiyama
posted2021/04/16 11:02

オコエ瑠偉らの1997年生まれの世代は2021年で24歳となる。まだまだここからの奮起に期待したい
松坂大輔・田中将大・大谷翔平と同世代は誰?
〇1980年度生まれ
高校:松坂大輔(横浜)、藤川球児(高知商)、東出輝裕(敦賀気比)
大学:和田毅(早稲田大)、村田修一(日本大)、永川勝浩(亜細亜大)、木佐貫洋(亜細亜大)、小谷野栄一(創価大)、新垣渚(九州共立大)
社会人:杉内俊哉(三菱重工長崎)、渡辺直人(三菱ふそう川崎)
松坂大輔を筆頭に甲子園で活躍した選手が多く、松坂をフラッグシップとする「松坂世代」と呼ばれた。プロ野球で「世代論」が大きな話題になったのはこの時期からだ。ただ大きな期待があったにも関わらず2000本安打、200勝に到達した選手は出ていない。今季では松坂と和田が現役である。
〇1988年度生まれ
高校:田中将大(駒大苫小牧)、坂本勇人(光星学院)、前田健太(PL学園)、福田秀平(多摩大聖ヶ丘)、梶谷隆幸(開星)、曾澤翼(水戸短大附)
大学:柳田悠岐(広島経済大)、澤村拓一(中央大)、秋山翔吾(八戸大)、大野雄大(佛教大)、斎藤佑樹(早稲田大)
社会人:宮崎敏郎(セガサミー)、石山泰稚(ヤマハ)、石川歩(東京ガス)、増田達至(NTT西日本)
ADVERTISEMENT
2006年夏の甲子園での田中将大、斎藤佑樹の熱闘が大きな話題となった。田中は1年目から2けた勝利を挙げたが、数年遅れで柳田、秋山らが台頭した。当初は「ハンカチ世代」と呼ばれたが、今この名を目にすることは少ない。
〇1994年度生まれ
高校:大谷翔平(花巻東)、藤浪晋太郎(大阪桐蔭)、田村龍弘(光星学院)、鈴木誠也(二松学舎大附)
大学:佐野恵太(明治大)、濱口遥大(神奈川大)、吉川尚輝(中京学院大)、松原聖弥(明星大)、大山悠輔(白鴎大)、柳裕也(明治大)
社会人:西川龍馬(王子)、近本光司(大阪ガス)、木浪聖也(ホンダ)
甲子園で活躍した藤浪、大谷という超大型選手が活躍し、その後は鈴木、佐野、大山と強打者たちがじわじわと台頭している。
高卒選手が早々に活躍→大卒・社会人が……
こうして「当たり年」の世代を見て行くと、まず甲子園で活躍した選手が高卒でプロ入り早々から活躍、大卒の同世代が入団する前にスター選手になり、遅れて入る大卒選手は彼らを目標にプロで活躍し始める。そのあとから社会人選手が追いかけるという図式が見えてくる。
高卒選手が第一段ロケットとなって初速を上げて、第二段ロケットの大卒選手が加速すると言い換えてもいいだろう。
そういう意味では、1997年世代は、オコエ瑠偉など第一段ロケットとなる高卒選手が不発だったために、大卒選手が入った昨年の時点で「世代としての盛り上がり」を作ることができていないと言える。
97年世代にも魅力的な選手は結構いるのだ!
しかし、子細に見れば今年度の時点で69人いる1997年世代にも魅力的な選手は結構いるのだ。