オークスでデアリングタクトに続けるか

　こうして4戦4勝の無敗で迎えた牝馬クラシック開幕戦・桜花賞。阪神ジュベナイルF以来の出走となり、ここもいかに落ち着かせるかが大きな課題となった。しかし、レース後、吉田隼騎手は次のように語る事になる。

「厩舎スタッフの皆さんのお陰で、落ち着いていました。だから心配していたスタートも決める事が出来ました」

　好位でレースを進め、直線半ばで抜け出す盤石の競馬。ゴール直前、サトノレイナスが追い上げてきたが時すでに遅し。クビ差しのいでデビュー5連勝。吉田隼騎手にとっても初めてとなるクラシックをレコードで制覇して、この世代唯一の3冠馬への権利を手にした。

「最後にサトノレイナスが迫って来たのは分かっていました。なんとか我慢してくれ、という気持ちで追っていました」

　白毛という話題が先行し、プレッシャーもあったであろう中、全く危な気の無い手綱捌きを披露した鞍上は改めて振り返る。

「白いだけでなく、本当に強いという事を証明出来たのが良かったです。乗っている感じからもう少し距離が延びても大丈夫だと思うので、これからも期待出来そうです」

　おそらく次走は2400メートルのオークス（GI）で、今回の上位勢と再戦になるだろう。そこで、昨年のデアリングタクトに続く2年連続での無敗の2冠牝馬誕生の瞬間が見られるか……。吉田隼騎手ともども応援したい。

阪神JFにて　©Satoshi Hiramatsu