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フィリピン代表とデフ(聴覚障害)バスケ日本代表…三遠の2人の新人Bリーガーが抱く、特別な使命感とは
text by
山田智子Tomoko Yamada
photograph byTomoko Yamada
posted2021/04/09 17:00
チームでは同期となる2人だが、津屋(左)は98年生まれの22歳、ラベナ(右)は96年生まれの24歳だ
――練習でマッチアップをする機会も多いですか?
津屋 そうですね。サーディが怪我をする前(今年1月2日のSR渋谷戦で右第4指中手骨を斜骨折し全治約3カ月の診断を受けた。本対談取材後の3月31日の琉球戦で試合に復帰)は、コーチがわざとマッチアップに当てることもありました。何かの練習の時に、サーディがドライブして決めて、その後自分がドライブして決めて、またサーディが決めて、ただ単に自分とサーディがやりあっているだけになってしまったことがありましたね。
ラベナ コーチにはいつも同じように怒られるよね。「津屋、サーディ」「サーディ、津屋」って。必ずセットで、津屋の後はサーディ、サーディの後には津屋(笑)。
津屋 想像できるわ(笑)。サーディも怪我が治って試合に出るようになったら、また怒られるね。
フィリピンでも注目されたラベナのデビュー戦
――プロの舞台に初めて立ったときの気持ちはどうでしたか。
ラベナ デビュー戦(昨年11月7日のアウェー・島根戦)の前に、この日に僕がデビューするという記事が上がっていましたし、YouTubeでの配信もありましたので、日本の方だけでなく、フィリピン、そして世界中の非常に多くのファンが見てくださっているというのは知っていました。ただ初めてBリーグのコートに入った瞬間は、チームメイトと一緒にこの試合に勝つことだけにフォーカスして、初めてのBリーグの舞台を楽しみました。
津屋 ちょうどインカレの前だったんですけど、あのサーディのダンクは衝撃的でしたね。
ラベナ 実はダンクはまだあの1本だけなんですよ。試合後はこれまでの人生で一番多い、すごい数のメッセージをもらって、反響の大きさに驚きました。
――津屋選手もデビュー戦で、ラベナ選手へのアシストもあり、自らの3Pシュートもありでまさに「津屋ってる」活躍でした。
津屋 そうでした。(ラベナの)オープン3Pシュートとトランジションをアシストしました。
ラベナ そうそう、あの“ほぼダンク”のプレーですね。