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サラーがS・ラモスに“削られた”以来のCLレアル戦… 悩めるリバプールは“イスタンブールへの奇跡”を起こせるか 

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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photograph byGetty Images

posted2021/04/03 17:01

サラーがS・ラモスに“削られた”以来のCLレアル戦… 悩めるリバプールは“イスタンブールへの奇跡”を起こせるか<Number Web> photograph by Getty Images

クロップとリバプールがこのまま“冷めた状態”で終わるわけがないはず

 あのシーズンのリバプールも国内リーグを5位で終えているが、今季のレッズは現在7位。首位シティには勝ち点25もの大差をつけられているものの、4位のチェルシーとは5ポイント差だ。指揮官が白旗を上げるにはまだ早い気がする一方で、信じがたい急降下を経験し、柄にもなく弱気になったとしても不思議ではないとも思う。

あれほど強かった赤い常勝マシンが……

 一昨季に14年ぶりの欧州制覇、昨季に30年ぶりの国内リーグ優勝を達成したリバプールは、今季も1月上旬の時点でプレミアリーグの首位に立っていた。だがそこから約3カ月の間に、あれほど強かった赤い常勝マシンが、まったく別の姿を晒すようになった。

 面白いようにネットを揺らしていたモハメド・サラーがシュートミスを重ねだし、この28歳のエースがゴールから見放され始めると、チームは勝利から見放され始めた。

 過去2年間で世界最高のフルバックと呼ばれるようになったトレント・アレクサンダー・アーノルドは、自分とチームが不甲斐ないのか、不機嫌な表情ばかりが目立つ。昨季は13ものアシストを記録したのに、今季はまだ3にとどまっている。

要因は聖地アンフィールドに生まれない熱狂か

 1月4日のサウサンプトン戦から中断前のウルブス戦までのリーグ戦13試合の成績は、4勝1分8敗、11得点16失点。昨季の同じ時期(12勝1敗、26得点8失点)とは比較にならない。難攻不落の本拠地アンフィールドで68試合にわたって無敗を維持していたチームが、現在はそこで6連敗中──いうまでもなく、クラブ史上ワースト記録だ。サポーターがいた頃のアンフィールドで、その連敗記録は絶対に生まれないはずだ。

 観客のいないレッズの聖地は、本来のアンフィールドとは完全に違うスタジアムになる。無観客の本拠地で戦わなければならないのは、すべてのチームに共通することだが、リバプールとアンフィールドのスタンドの関係ほど、密接な繋がりはそうそうない。

 特にクロップが率いるチームは、魂から熱い声援を送るファンと、誇り高く戦う選手たちがエモーショナルに共鳴してこそ、あれほどダイナミックなスタイルを貫けたのだ。

 今季に新加入したチアゴ・アルカンタラも、その影響について、母国スペインの『アス』紙に次のように話している。

【次ページ】 「本当にファンが恋しいよ」

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