月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
「半世紀に1人の怪物、きテル乗っテル打っテル」ルーキー、阪神・佐藤輝明に全スポーツ紙が浮足立つ
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byJIJI PRESS
posted2021/04/04 06:00
近大時代には関西学生野球リーグの通算本塁打記録を更新し、2度のリーグMVPを獲得
気になる記事は、
『佐藤輝の大予言 球界のノストラダムス』(3月16日)
『佐藤輝 顔面破壊力』(3月18日)
前者の見出しは佐藤がホームランを打った試合前に左翼ポールのそばで風を確認していたというので「大予言」「球界のノストラダムス」であり、後者は柔道元世界王者の小川直也が「精悍で整った顔が俺に似ている」と言っていた。とりあえず佐藤の勢いはよくわかった。
ちなみに東スポにはこんな記事もあった。
『都はるみ&矢崎滋 虎の縁』(3月13日)
演歌歌手の都はるみと俳優の矢崎滋が同棲していると写真週刊誌「フライデー」が報じた。すると、
「2人とも大の阪神ファンだった!!」
こちらをメインにした切り口。
「今年の阪神戦では”野球観戦デート”する2人の姿が見られるかもしれない!?」と記事を結んだ。
切り口が独特すぎる記事にこそ今年の阪神の注目度を感じてしまう。
テル、きてる。
調子がいいと心配になる虎党の哀しき習性
さてここまでくるとこんな心配も出る。
『輝が打ち過ぎて逆に心配!?』(サンスポ関西版コラム「虎のソナタ」3月17日)
気持ちはわかる。
ただこのコラムで読むべきはここではないか。
《平日のデーゲームでも、5000人の上限が決まっている神宮球場はすぐに”満員”になってしまったようです。》
この日のヤクルト戦(3月16日)は阪神の最初の関東地区でのオープン戦。佐藤輝の関東”初上陸”だった。開幕後の打棒はやってみなければわからないが、しかしすでに「客を呼べる」ことは事実ということ。すごい新人がタイガースに入った。
そしていよいよ開幕。2戦目で佐藤輝は初安打が初ホームラン。