酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
首都圏の大学に先発投手が集中も…大野雄大の偉大さとは? プロ野球・出身大学別成績ランキング【投手編/2020年】
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS/AFLO
posted2021/04/02 17:04
広島の森下は明大時代からスーパーエースとして鳴らした
1位は法政大。現役投手は3人だが、石田、三嶋に加え三上朋也と、3人ともDeNAの救援投手だ。続いて阪神大学リーグの関西国際大。絶対的なクローザー益田、そして松永とこちらはロッテ勢である。國學院大は昨年、ヤクルトの清水が最多ホールドを記録しており、こちらも上昇中である。
福井工大は西武のクローザー増田達至1人の成績だ。以下、中日・祖父江の愛知大、日本ハム宮西の関西学院大と1人の投手が引っ張る大学もランクインしている。
救援投手は先発投手とは異なり、社会人を経た選手も多い。中には今年からレッドソックス澤村拓一のように先発からの転向組もいるが、一般的にはいわゆる「即戦力」として1年目から救援で投げてきた投手が多い。先発投手とはNPB球団の起用法も異なっているようだ。
中日の大エース・大野雄大の際立つ偉大さ
<140イニング以上の大学の防御率>
佛教大【京滋】1.82
大野雄大(中)1.82
東海大【首都】2.03
菅野智之(巨)1.97、中川皓太(巨)1.00
早稲田大【東京六】3.42
和田毅(ソ)2.94、有原航平(日)3.46
亜細亜大【東都】3.43
東浜巨(ソ)2.34、九里亜蓮(広)2.96
創価大【東京新】3.52
石川柊太(ソ)2.42、小川泰弘(ヤ)4.61
明治大【東京六】3.69
森下暢仁(広)1.91、柳裕也(中)3.60
日体大【首都】3.79
大貫晋一(De)2.53、松本航(西)4.37
大体大【阪神】3.82
酒居知史(楽)3.65、松葉貴大(中)4.05
日本大【東都】4.09
森脇亮介(西)1.35、吉田一将(オ)4.08
中央大【東都】4.16
鍵谷陽平(巨)2.89、美馬学(ロ)3.95
こうしてみると、大野雄大の偉大さが際立っている。大野が出た佛教大の所属する京滋リーグは、かつては旧関西六大学リーグの下部リーグという扱いで、ローカルリーグと言ってよかった。それだけに大野の活躍は歴史的だ。
ただそれ以下の防御率ランキングは、首都圏の老舗リーグ所属の大学が多い。
こうしてみると、大学の場合、投打ともに「大学のカラー」のようなものが輩出する選手にも見て取れる。これが伝統というものだろうか。新興の大学が台頭しているが、それでも東京六大学をはじめとする伝統校は根強かったというのが印象だ。
(大学打者編に続く。関連記事からもご覧になれます)
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。