オカダがきまり悪そうにしていた理由

　そんな中、飯伏と棚橋、ゴールデン☆エースの2人が並んでポーズをとって再び即席の撮影会が始まった。観客は湧いたが、1人だけきまりが悪そうにしている男がいた。オカダだ。

　飯伏、棚橋、オカダという豪華なタッグとなったこの試合だったが、飯伏の行動に反対の立場を取っているオカダはやりにくそうにしていた。試合前には棚橋が豪華な競演を記念して3ショットで写真に納まろうとしたがそれを拒否し、試合では飯伏の背中を必要以上に強く叩いて交代し、と隔たりがあることを感じさせていた。

飯伏（左）、棚橋（中央）と逡巡するオカダ

　声を出せない観客席は、ゴールデン☆エースを撮影しつつも3拍子でオカダを求めた。コーナーポストにもたれかかって逡巡していたオカダだったが、棚橋が間に入る形でとうとう列に加わった。

　試合後、棚橋は中断からの試合再開に対して「やるも地獄、やらないも地獄」と口にしたが、この時のオカダもそういう気持ちだっただろう。飯伏に対して不満はあるが、観客の期待には応えたい。飯伏が観客の手拍子に合わせて手を叩き自身を呼んだことも面白くなかったはずだが、ここで拒否するのは負けた感じになってしまう。

　悩んだ末にポーズをとったオカダだったが、この夢の3ショットの実現は間違いなくやってよかった。

オカダと飯伏の理解しあえない関係性

　なぜなら、結果的に、飯伏との理解しあえない関係性、というのをさらに際立たせることになったからだ。再開した試合で飯伏の勝利に冷めてしまい1人だけ早々と引き上げたオカダは、翌日も再び同じチームを組んで試合に臨んだものの、やはり3ショットが実現することはなかった。特殊すぎる状況で1度だけ実現した3ショットは、後になって、ああいうことがないともはや競演不可能なのか、と2人の隔たりをより強く感じさせるものになった。

翌日の試合後、オカダの姿はなかった

　ただし、もっと単純な理由がある。そして、そちらのほうが大事なことだ。

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