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ウルフアロン29歳“できすぎのプロレスデビュー”の全貌…カメラマンが見た「観客の心つかんだ」決定的瞬間とは?「素晴らしい試合」ライバル候補も称賛
posted2026/01/09 17:01
デビュー戦でEVILを倒しNEVER無差別級王者になったウルフアロン。1月4日、東京ドーム
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原悦生Essei Hara
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Essei Hara
1月4日、東京ドームで行われたウルフアロンのプロレスデビュー戦は、及第点以上、あるいは「できすぎ」といったうれしい高評価だ。東京五輪の柔道金メダリストといえども、別の競技ゆえ普通はどこかしらたどたどしさが残るものだが、ウルフは落ちついていた。
ウルフアロンが観客の心をつかんだ瞬間
ファンの期待値が上がった分、この先が大変な気もするが、EVILとのシングルマッチなのに悪のユニット“拷問の館”(HOUSE OF TORTURE)の6人を相手にして、反則に苦しめられながらも、狙い通りの投げから逆三角絞めという見事なフィニッシュだった。12分53秒、ウルフはレフェリーストップで勝利を掴んだ。
「逆三角を狙っていったんですけど、逆三角だけだと極めが甘かったので、右手と左手の両方関節を取りながら絞めも狙って、その3点を取りにいきました」
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アテネ五輪金メダリストで柔道男子日本代表の鈴木桂治監督の和太鼓がウルフを呼びこんだ。
「ああいった柔道界の大先輩が僕のことを送り出してくれているっていうのは、とても嬉しいですし、力になります」
入場口に現れたウルフは丸刈りに白い柔道着、その左胸には新日本プロレスのライオンマークが入っていた。ウルフは黒帯を解いて、柔道着を脱ぎ捨てた。黒いショートタイツ、黒のリングシューズ。腹にたるみはあるが、昔からのプロレスラーのオーソドックスないでたちだ。
ここでウルフは観客の心をつかんでしまった。
「新日本プロレスに入団したタイミングというか、僕自身、プロレスラーになるって決めた段階でもうデビュー戦の日には坊主にしようと考えていたので、その時から決まっていたということですね。やっぱり新日本プロレスでゼロから、イチからプロレスをするのであれば、正直、入門の段階で坊主でも良かったかなっていうふうに思ったんですけど、試合当日に坊主にしていこうとずっと考えていました。頭を丸めたのは今日の朝の10時半です」
「やっぱり柔道っていう競技を今までやってきて、新日本プロレスに入るにあたって、今日の入場だけは最初柔道着を着ようと思っていたんですよ。で、本当に柔道っていう競技からプロレスに転向するっていう意味で、これから先、柔道着を着て戦うことはないっていうアピールを皆さんにしたかったということですね」



