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「もし当たれば死ぬ」と打者に思わせた沢村栄治の“絶頂期”と田中将大「24勝0敗」シーズンの成績を比べたら 

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太田俊明

太田俊明Toshiaki Ota

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photograph byDigital Mix Company.

posted2021/03/21 17:02

「もし当たれば死ぬ」と打者に思わせた沢村栄治の“絶頂期”と田中将大「24勝0敗」シーズンの成績を比べたら<Number Web> photograph by Digital Mix Company.

沢村栄治は巨人軍のエースとして束となって襲い掛かるタイガースのエースたちとたった1人で勝負した

楽天・田中将大の歴史的成績と同等の成績を半年で

 この春季シーズンの栄治の成績がすさまじい。

 チーム試合数56のうち30試合に登板、完投24試合、うち完封7試合、ノーヒット・ノーラン1試合、24勝4敗、勝率8割5分7厘、投球回数244回、奪三振196個、防御率0.81、WHIP 0.84。

 これは、現代の沢村賞の選考基準である、

〈25試合以上登板、10試合以上完投、15勝以上、勝率6割以上、200投球回以上、150奪三振以上、防御率2.50以下〉と比較しても、すべての基準をはるかに凌駕する素晴らしい成績だった。

 因みに、日本プロ野球史上に燦然と輝くシーズン24勝無敗という驚異的な成績をおさめた2013(平成25)年の楽天・田中将大の数字は、チーム試合数144試合中28試合に登板、完投8試合、うち完封2試合、24勝0敗、勝率10割、投球回数212回、奪三振183個、防御率1.27、WHIP 0.94だった。

 栄治は、田中が1年間で成し遂げた歴史的成績とほぼ同等かそれ以上の数字を、わずか半年で達成したのだった。

 職業野球の初代最高殊勲選手に輝いた栄治は、このとき20歳5カ月。これが、栄治の短い投手生命の絶頂期の終わりになるとは、本人も、周囲も、誰も思わなかったに違いない。

【初めから読む】沢村栄治の“速球伝説”を検証…なぜ打者は「胸元までホップする」「球が二段階に浮き上がる」と“錯覚”したのか へ

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