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「奇跡のレスター」から5年の“栄光と転落” 得点王バーディー、飲酒運転ドリンクウォーター、岡崎とスペインで再会したのは…
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images/Daisuke Nakashima
posted2021/03/14 11:04
ミラクル・レスターの一員だった岡崎慎司は今リーガの舞台へ。では当時の面々はどうしてる?
移籍成功の代表格はカンテとマフレズ。失敗例は?
翌シーズンにチェルシーに移籍したエンゴロ・カンテと、18-19シーズンにマンチェスター・Cに移籍したリヤド・マフレズは、それぞれ移籍1年目で再びプレミアリーグのカップを掲げた。
無尽蔵のスタミナで中盤の広い範囲をカバーする守備職人のMFカンテは、チェルシー加入後瞬く間に中心選手にのし上がり、監督交代による新陳代謝の激しいクラブにおいて、どの指揮官の下でも重宝されてきた。
2018年にはロシアW杯のフランス代表として全試合に出場し、世界の頂点にも輝いた。2013年夏までフランス3部のクラブでプレーしていたカンテも、バーディーに負けず劣らずの”シンデレラストーリー”を持っている。
構想外→飲酒運転……冴えないドリンクウォーター
カンテとは裏腹に、1年遅れてチェルシーに加入したダニー・ドリンクウォーターは移籍の決断が失敗に終わった例だ。移籍1年目でリーグ戦12試合の出場に終わると、2年目は公式戦出場1試合のみと完全に構想外になった。
その後バーンリーやアストンビラにローンで移籍するも鳴かず飛ばず。最近では彼の名前がニュースになるのは問題行動ばかりになってしまった。
2019年4月には飲酒運転で逮捕――「水を飲めよ!」と思わずツッコみたくなる皮肉のような事件を起こすと、昨年12月にはU-23の試合で16歳の選手に報復のキックを食らわせて一発退場に。ピッチ内外の問題が追い打ちをかけ、完全に居場所を失った形だ。
今冬にトルコ1部のカスムパシャに今季終了までのレンタルで加入したドリンクウォーターは、残留争い渦中のクラブで徐々に出場機会を得ている。おそらくチェルシーに彼の未来はないだろうが、あの頃の輝きを取り戻す場所を見つけられるだろうか。
優勝した15-16シーズンのみならず、その後もチームの中核をなしたメンバーも新たな旅に出ている。