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「奇跡のレスター」から5年の“栄光と転落” 得点王バーディー、飲酒運転ドリンクウォーター、岡崎とスペインで再会したのは…
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images/Daisuke Nakashima
posted2021/03/14 11:04
ミラクル・レスターの一員だった岡崎慎司は今リーガの舞台へ。では当時の面々はどうしてる?
背番号10キングの“意外なネクストステージ”とは
アカデミー出身で07-08シーズンから昨季まで在籍し、公式戦379試合に出場した背番号10のアンディ・キングである。
最近はチャンピオンシップのクラブなどにローンで移籍することが多かったが、この冬ベルギー1部のOHルーベンに加入した。このクラブを所有するのはレスターと同じキングパワー・インターナショナル・グループ。クラブに全てを捧げたレジェンドに、惜しみなく次の活躍の場を与えたのだ。
OHルーベンは昇格組ながら現在7位で来季の欧州カップ戦出場権を争っている。もしかすると、欧州の舞台で彼らが再会する、なんてそれこそ奇跡のようなことが起こるかもしれない。
岡崎はリーガ1部で苦戦を強いられている
岡崎慎司は前線からの献身的な守備でチームにおいて重要なピースとなっただけでなく、ニューカッスル戦のオーバーヘッド、翌季マンチェスター・C戦でのボレー弾などセンセーショナルなゴールでファンの記憶にも残る。レスターで4シーズンを過ごした日本人FWは、昨季からスペインに戦いの舞台を移している。
19-20シーズンに当時2部のウエスカに加入すると、37試合出場でチームトップの12ゴールを挙げて1シーズンでの1部復帰に大きく貢献。かねてから本人が待ち望んだラ・リーガへの挑戦権を手にした。
ただ現在チームは最下位、岡崎自身も21試合1ゴールとここまでは苦しい戦いを強いられている。今季途中に監督が交代して以降、ライバルのラファ・ミルに後れを取るなど出場機会の低下も悩みの種だ。
あと12試合、限られた出場時間の中でも印象に残るプレーを見せ、混迷を極める残留争いを勝ち抜く立役者となる。どんなに状況が苦しかろうと、あの奇跡に魅せられた者として、そんな「奇跡」のようなシナリオに期待せざるを得ない。