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遠藤航が闘将ドゥンガに肩を並べた? シュツットガルトで絶大な信頼と“約10億円の市場価値”を手にするまで
posted2021/03/06 17:02
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Getty Images
え!? 遠藤航って、あのレジェンドと肩を並べているの?
先日のシャルケ戦で2ゴール、2アシストを記録した遠藤だが、彼について『シュツットガルター・ナハリヒテン』紙に掲載された記事は、そう感じさせるものだった。
現地での評価の高さに加えて、日本人にもわかるインパクトがつまっていたからだ。
「キャプテンのカストロが怪我をして、刀礼(刀で肩を打って位をうける騎士叙任式)を受けたのは極東からきた、4人の子供の父親だった。遠藤は、ブラジル人のドゥンガとクロアチア人のソルドに続いて、シュツットガルトのキャプテンマークを巻いた外国人選手となったのだ!」
遠藤がキャプテンマークを受け継いだことを、中世ヨーロッパの騎士の称号をもらう儀式に例える。日本人にはわかりづらい例えだが、記者が力を込めて書いていることは伝わってくる。
何より、注目すべきは遠藤がどんな存在かあきらかになったことだ。
94年のアメリカ大会を制したときにW杯を掲げ、ブラジル代表のキャプテンと監督を務めたドゥンガと肩を並べたのだから。
ドゥンガ、ソルドに続いてキャプテンマークを巻く意味
ドゥンガが日本のサッカー界に多大なる影響を与えたことは多くの人が知っているが、彼はジュビロ磐田に移籍する直前までシュツットガルトでプレーしていた(アメリカW杯のときはチームのキャプテンはライーだったが、試合に出場しなかったためドゥンガがトロフィーを掲げた。その後、ドゥンガは正式にブラジル代表のキャプテンとなった)。
ちなみに、ソルドは1998年のフランスW杯でクロアチア代表を3位に導いた立役者で、日本戦でもフル出場した。
1963年のブンデスリーガ創設後の優勝回数が5位タイの名門シュツットガルトの腕章を、歴代のレジェンドに次いで巻くことになった外国人選手となった。その事実が、遠藤の立場を雄弁に物語る。
キャプテンのカストロがピッチに立たないときには、ケンプフがキャプテンマークを巻くというのがこれまでのパターンだった。だが、1月23日のフライブルク戦からは、カストロ不在時には、キャプテンマークは遠藤の左腕にたくされるようになった。