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オルンガとのバトルでまた強くなった…FC東京の若きCB渡辺剛「リーグを獲らないといけない立場」
posted2021/02/26 17:03
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
J.LEAGUE
代償と対価、どちらが大きかったか。
オルンガとの接触プレーで右肩を痛めた代償か、それともそのJリーグMVP&得点王に仕事をさせなかった対価か。
勇ましい表情を見れば回答一発、口にせずとも分かる。
FC東京の若きセンターバック、24歳の渡辺剛はまた一つスケールアップしたように感じる。
「キャンプ途中に復帰できて、キャンプ最後の練習試合にも出場できました。今はコンディションも、肩の調子もいい状況ですね」
沖縄キャンプでの“肩慣らし”を終えて開幕のアウェー、浦和レッズ戦(2月27日)に向け、準備万端を漂わせる。「自信」というワードが発言のなかに幾度となく出てくる。
186cmの大きな体を震わせて、彼は泣いていた
「優勝できるかできないかでは大きく違いました。チームとしてやってきたことが間違っていなかったと再確認できた機会になったし、あの優勝によってみんなの自信にもなった。これからのFC東京の土台にもなった。個人的にもリーグの得点王とシーズン最後に対戦できて、(抑えられたことは)自信になっています。優勝が懸かった大きな舞台で勝てたことで、もっともっと自分でもできるなって思うようになっています」
どでかい自信を彼にもたらしたのが1月4日、柏レイソルとのルヴァンカップ決勝。リーグ戦で28得点を叩き出したオルンガと激しいバトルを繰り広げ、右肩を負傷しながらも痛みをおして最後までファイトした先に手にした栄冠であった。優勝が決まると186cmの大きな体を震わせて、彼は泣いていた。
「(コロナ禍で)試合ができない時期もあったし、自分の思ったプレーができない時期もありました。キャプテンマークを巻く試合も多かったので、チームのことを考えすぎてしまった時期もあって……まあ、いろいろ含めての感動がありました」
プロ2年目の2020年シーズンは副キャプテンに指名され、チームの先頭に立ってきた。