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オルンガとのバトルでまた強くなった…FC東京の若きCB渡辺剛「リーグを獲らないといけない立場」
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byJ.LEAGUE
posted2021/02/26 17:03
1月4日のルヴァンカップ決勝では、柏のオルンガと激しいバトルを繰り広げた渡辺
不安定を安定に戻す自己修復能力が高い
開幕からレギュラーを張り、後方から声を張った。7月にキャプテンの東慶悟が離脱してからは、リーダーとなって引っ張ってきたつもり。勝利に結びつかず、悩んだ時期はある。
しかし彼の良さは、マイナスの時期をすぐに抜け出せるところ。試合ができないなら筋トレに励み、思ったプレーができないなら開き直る、「考えすぎ」だと気づいたら、どつぼにははまらない。不安定を安定に戻す自己修復能力が何よりも高い。そしてそれらを成長の肥やしとしてきた。
「どんなことがあってもポジティブにいることが自分にとっての正解。(キャプテンマークを任される)大役によって自分の路線から一度外れそうになったんですけど、考えすぎに気づいて自分の路線に戻ってくることができたんです」
彼のたどってきた背景と無関係ではないのかもしれない。
FC東京U-15深川からU-18に昇格できずに、山梨学院大附属高に進学する際もそうだった。
身長が急激に伸びて高1でセンターバックに転向
「もちろん悔しい気持ちはありました。でも自分のなかでスンナリと受け入れて、次に対してすぐに気持ちを切り替えられていました。無理なものを追うよりも早く切り替えたほうが効率もいいし、手っ取り早い。起きたことよりも、次に起きることに対して準備しているつもり。これまでのサッカー人生を振り返ってみても、ずっとうまく続いてはいない。でもそのあと自分に反発力があるのは感じています」
身長が急激に伸びて高1でセンターバックに転向する際も前向きに捉え、代名詞となるヘディングをここで鍛えたのは有名なエピソード。高2で全国高校選手権の山梨県予選で勝てなかった際は、悔しさを引きずることなく反発に変えた。そして翌年には全国の舞台を踏んでいる。