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オルンガとのバトルでまた強くなった…FC東京の若きCB渡辺剛「リーグを獲らないといけない立場」
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byJ.LEAGUE
posted2021/02/26 17:03
1月4日のルヴァンカップ決勝では、柏のオルンガと激しいバトルを繰り広げた渡辺
終わったことよりも次に、次に。
“柔”のマインドではなく、まさに“剛”のマインド。
実はセンターバックに最も求められている要素なのかもしれない。失点しても、次に。負けても、次に。ダメージを受けたままでは守れるものも守れなくなってしまう。彼はダメージを食らった分だけ強くなっていった。
「あの悔しさがあったからルヴァンカップが取れた」
大きな悔しさになったのがプロ1年目の2019年にリーグ優勝を逃がした経験だった。
首位を走りながらもチームは終盤に息切れしてトップの座を譲り、最終節で横浜F・マリノスとの直接対決において目の前で相手の優勝を見届けなければならなかった。
「タイトルを獲らないと意味がないというか、歴史に名前が残らないし、人々の記憶にも残らない。何にも残らない。あの悔しさがあったからルヴァンカップが獲れたとは思っています。
ただ、我慢の時期も、別に苦しいとか、そういう印象じゃない。ちょっとずつ自分のなかでは近づいているんだという受け取り方。踏ん張ってやってこれたのは(今までの)経験があるから」
負けて何も残らなかったと感じる一方で、優勝まで近づいているという感覚を得ることもできた。
逃がした魚は大きいとはいえ、大きな魚を釣れる力があると考え方をチェンジさせられる。その意識を持って副キャプテンとしてチームを支え、自己修復能力をチームにももたらしてきた。
昨年はリーグ5位タイの42失点
森重真人とはJリーグでもトップを争うほどの名コンビと言っていい。成熟度もどんどんと上がっている。