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サラゴサ契約解除、浪人からギリシャPAOK加入まで…香川真司がすべてを語る「オレは、ブレていない」
posted2021/02/25 17:04
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
UDN SPORTS
<初出:Sports Graphic Number 1021号(2021年2月18日)>
香川真司とレアル・サラゴサとの契約が解除されたニュースは、驚きをもって伝えられた。昨年10月2日のことだ。
2年契約のうち、1シーズン弱を残しての契約解除は、異例の出来事だった。そんな選択をするクラブは多くない。なぜなら、一般的に、選手との契約が満了になる前に打ち切るとしても、クラブは給料に相当する額を払い続けないといけないからだ。
その後、新天地の候補として様々なクラブ名が報じられながらも、フリーのまま年を越した。そして、1月27日にギリシャの強豪PAOKテッサロニキ加入が決まった。
その間、SNSの発信はあったが、香川がメディアの前に出たのは契約解除直後の現地メディアのグループインタビューだけ。
あの浪人期間をいかに乗り越え、どんな覚悟で新たな戦いに挑むのか。およそ17週間の沈黙をやぶり、香川が口を開いた。
「やりきれない想いはあった」
――昨年10月5日の移籍期限直前での契約解除は想定外だったのでは?
「少なくとも、次の移籍期間までの半年はサラゴサで戦うつもりでした。契約解除はさすがにないと思っていましたから」
――気持ちの切り替えも大変でしたか?
「大変でしたよ。契約満了で退団するのとはわけが違うから。やりきれない想いはあったし。スペインは外国人枠が厳しいから、そういう事態もありえる、ということなのかもしれないですけど」
――契約解除以降は、自由にクラブと交渉できるようになりましたが。
「そこからはスペインを中心に、いくつかのチームとコンタクトを取りました。監督と話をしたクラブもあったし、入団が決まりそうで、11月頃にその準備をしたこともありましたが……」
日本復帰という選択は全くなかったのか?