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You'll Never Walk Alone「愛の物語」~追悼ジェリー・マースデン~

posted2021/02/26 07:00

 
You'll Never Walk Alone「愛の物語」~追悼ジェリー・マースデン~<Number Web> photograph by Getty Images

ジェリー&ザ・ペースメイカーズの3枚目のシングルが『YNWA』だった

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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Getty Images

1963年からアンフィールドのファンに歌い継がれ、その歌声が苦境に立つ選手の背中を押し続けてきた。偉大なボーカリストの死を悼んで、リバプールと名曲との間に結ばれた固い絆の歴史を辿る――。

『You'll Never Walk Alone(YNWA)』は、世界的に有名なフットボール・アンセム。そして、リバプールが世界に誇る「俺たちの歌」だ。アンフィールドでは、ホームに集結したサポーターがキックオフ直前に歌い上げ、勝利を確信した歌声はアウェイゲームでの終盤にも披露される。

「嵐の中でも前を向いて進むんだ。暗闇を恐れずに」と始まる同曲は、英国ではスコットランド、欧州大陸側でもドイツ、オランダ、ベルギーといった国々のクラブでファンに歌われている。リバプールを率いるユルゲン・クロップの古巣に当たる、マインツとドルトムントもドイツの“YNWAクラブ”。だが、そのドイツ人指揮官をして「オリジナル」と呼ばせるクラブが、リバプールなのだ。

 実際には、アメリカで生まれた曲ではある。1945年にブロードウェイ・ミュージカル『カルーセル(回転木馬)』用に作曲されている。アンセムの元祖としても、イングランド国内でクレームがついたことがある。伝統の宿敵マンチェスター・Uのファンが、'58年の「ミュンヘンの悲劇」直後のホームゲームで歌ったと主張したのだ。

 それでも、一般的には'63年のリバプールが先駆けとして認知されている。その資格も十分。アンフィールドほど、『YNWA』が相応しいホームはないだろう。

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