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「今季最高のダンク」の写真が証明する渡邊雄太の“恐れないメンタリティ” NBAラプターズでのリアルな現在地
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2021/02/23 17:00
フィジカルを課題と理解しつつも「やれることはある」と努力を積み重ねる渡邊。コーチ陣の評価にもポジティブな言葉が並ぶ
「いいディフェンスだったと思う」
「あれはポジションを深く取られすぎたのはあったんですけれど、ただ、押し合いみたいなのは試合を通して、僕は一切嫌がることはないですし、そこを嫌がってしまうと押し負けてしまう。自分からしっかりコンタクトを先に取って、しつこくやった結果、むこうがしびれを切らしてちょっと肘を使って、結果的にオフェンスファウルを取れたっていう形だった。
あれは正直いいディフェンスだったと思いますし、まぁ、欲を言えば、もうちょっとペイントの外でボールを持たせるようにしないといけないんですけれど、それでも、最後までしっかりと、しつこくつき切った結果、ああいう形でいいディフェンスに繋がったんじゃないかと思います」
ラプターズのヘッドコーチ、ニック・ナースもこの日の渡邊のターナーに対するディフェンスについて、こうコメントしている。
「よくやっていたと思う。ユウタは少し細くて、マッチアップする相手より体重では負けていることが多いけれど、でも、彼は見た目より力強いし、いつでも最大限の努力をして戦っている」
1月31日のオーランド・マジック戦では、オールスターセンターのニコラ・ブーチェビッチのシュートをブロックしている。試合後、渡邊はそのブロックについて、そして自分より大きく、力強い選手に向かうメンタリティについて、こう語っている。
「体格や身体の強さで完全に負けている分、気持ちの面だとか、運動量を増やして(対抗している)。ブーチェビッチへのブロックに関しても、運動量を増やし、いいタイミングで跳べて、『シュートにコンテスト(対抗)できればいいかな』ぐらいの感じで手を伸ばしたらそこにうまくボールが来てくれたみたいな感じだった。そうやって運動量を増やすことで自分のよさはどんどん出てくると思うんで、フィジカルでのディスアドバンテージがあるなら、別の場所で補っていくしかないので、そこは継続してやっていかなきゃいけないなと思っています」