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移籍即ゴールの守田英正がレギュラー獲得 ポルトガル勢日本人の現状序列【苦境の中島翔哉&本田圭佑は…】
posted2021/02/23 11:01
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Global Imagens/AFLO
ポルトガルリーグのレベルは、欧州5大リーグ(イングランド、スペイン、ドイツ、イタリア、フランス)のすぐ下。過去、ここからFWクリスティアーノ・ロナウド(スポルティング→レアル・マドリーなど)、FWジョアン・フェリックス(ベンフィカ→アトレティコ・マドリー)らが世界トップクラブへ羽ばたいており、才能豊かで野心的な選手がひしめく。
“スターへの登竜門”とも呼べるこのリーグで、現在、5人の日本人選手が奮闘している。
このうち、特筆すべき活躍をしているのがボランチの守田英正(25)だろう。
対人守備が強く、キープ力があり、優れた状況判断から精度の高いパスを繰り出す。2018年、流通経済大から川崎フロンターレへ入団してたちまちレギュラー。2018年のJリーグ優勝、昨年のJリーグと天皇杯の二冠獲得に貢献した。昨年、Jリーグのベスト11にも選ばれた日本屈指の守備的MFで、2021年1月7日、サンタクララへ移籍した。
初出場初得点に監督も「素晴らしいプレー」
サンタクララは、ポルトガル本土の約1000km西方に浮かぶアゾレス諸島(人口約24万人)に本拠を置く小クラブだ。長く2部に留まっていたが、2017-18シーズンに1部昇格を決めて、昨年は9位(18チーム中)だった。
守田は、1月25日のリーグ第15節リオアベ戦(アウェー)に初先発。中盤で幅広く動いて守備のタスクをこなすと、1-1の後半44分、猛然と攻め上がる。右サイドからの浮き球のパスを胸で止めると、その落ち際を右足で強烈なシュート。これがファーサイドに突き刺さり、決勝点となった。チームメイトから手荒い祝福を受け、ダニエル・ラモス監督から「素晴らしいプレーをしてくれた」と賞賛された。
欧州クラブリーグへ移籍して初出場でいきなり得点をあげた日本人選手には、MF中田英寿(湘南→ペルージャ。1998年ユベントス戦で2得点)、平山相太(筑波大→ヘラクレス=オランダ。2005年、デンハーグ戦)、FW三好康児(横浜FM→アントワープ。2019年、アンデルレヒト戦)らがいるが、守備的なポジションの選手としては初めてだった。