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“憲剛ロス”は少しだけ…フロンターレならできる“J史上最強”の昨季超え 小林悠や三笘薫らが見せる高い志
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph byGetty Images
posted2021/02/23 06:01
ガンバ大阪も粘った。しかし最後は王者フロンターレの強さが目立つ90分間となった
「チームにとってケンゴさんの存在は大きいです。いなくなるのは僕自身、すごく寂しかった。でも、そうも言ってられないので。たまに寂しくなることはありますが、新しい選手と新しいチームで前を向いた良い状態で進めていると思います。ケンゴさんにまた良い報告ができるようにしたいですね」
いなくなった存在を嘆くのではなく
新シーズンに伴うチームの変化は、ピッチ内外で多大な影響力を及ぼしてたバンディエラの引退だけではない。
4-3-3システムにおける攻守の要として機能していた守田英正は海外移籍を決断した。中盤のリンクマンがいなくなった影響も、決して小さくはないはずだ。ただこの試合前の公式会見でこうした点について問われた鬼木達監督は、いなくなった存在を嘆くのではなく、今あるものを最大限に輝かせることに注力していると、あくまで前向きだった。
「彼らが抜けたどうこうというのはないですし、新しい選手、既存の選手も含めて、新しいパワーで、その選手の特徴を生かして面白いサッカーをしたいと思っています。今の自分の頭の中では、より攻撃的に、どうやっていけるのかなという風に思ってます。ただこればっかりは試合が始まってみないとわからないですし、シーズンを通して成長していくものだと思ってます」(鬼木監督)
選手たちがのぞかせる志の高さ
だから、なのだろう。
アジアとリーグの2冠を掲げ、今季も1試合3得点を目標にする指揮官の思いに呼応するように、選手たちの口から出てくるコメントも、志が高いものばかりだ。例えば主将の谷口彰悟は「日本サッカー界を引っ張っていくという強い思いを持ってやっている」と、その決意を堂々と述べている。他にも、昨年のJリーグベストイレブンに初選出された山根視来はこんな野望を口にした。
「タイトルは継続して獲りたいですし、個人的には、代表の活動があれば、そこにも入っていきたい。そのためには、良いパフォーマンスをし続けることが大事だと思っています」
川崎で活躍している以上、代表を目指すことは意識してやり続けていたと思いを口にしたのだ。その言葉だけではない。献身的な上下動とダイナミックな攻撃参加が信条のこの右サイドバックは、さらなる進化を遂げるために、自身のプレースタイルの幅を広げる作業にも意欲的だと話す。