水沼貴史のNice Middle!BACK NUMBER
実は好青年な加藤浩次にバナナキング、スピキンでジーコのお小言… 水沼貴史が語る『スパサカ』懐かし秘話
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph bySankei Shimbun
posted2021/02/22 18:00
「スーパーサッカー」番組MC発表時の1枚。水沼貴史、加藤浩次、白石美帆の並びはサッカーファンなら懐かしすぎるものだ
番組を卒業させてもらったのは、ちょうど10年のタイミングでひと区切りをつけたいという思いが強かったから。
Jリーグも1つの文化になった、代表もW杯に出るチームになった。そんな劇的な変化がある時代を外から観てきて、もう1回現場に戻らなきゃと思うようになったんです。周囲からも当時は「なんで?」と言われましたし、今でも「観ていました」と言ってもらえることが多いです。すべて番組のおかげです。
大事なのは視聴者ニーズを引き出しつつ、主役は……
10年間では日本代表選手をはじめ、多くの選手に取材することができました。そこで学べたのは、いかに視聴者が見たいこと、求めることを引き出すかということ。取材する選手が年上であろうが、年下であろうが「主役は選手」。魅力を引き出せるような、話しやすい空気をつくる大切さは『スーパーサッカー』で大変勉強させてもらいました。
その考え方は今の解説の仕事にも生きています。マニアックな知識を披露することも大事かもしれませんが、より多くの人にサッカー、Jリーグを知ってもらうためには、主役は「試合」や「選手」であるべきだと思っています。今週リーグが開幕しますが、その思いを忘れずに伝えていきたいです。
時代によって求められる役割は変わる。『スーパーサッカー』は役割を終えましたが、また違った場所でそのノウハウは生かされていくでしょう。私もそんな思いでYouTubeなどに挑戦しています。スパサカファミリーが、これからもサッカーを愛してくれたら嬉しいですね。
(構成/谷川良介)