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「サッカー人生はここからがスタート」 スイス1部ローザンヌ移籍の20歳鈴木冬一が抱く、長友佑都への思い
posted2021/02/15 11:01
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
Yu Inohara
「すごくわくわくしています」
スイス1部ローザンヌへ完全移籍した鈴木冬一は自身初となる海外挑戦を前に目をきらきらと輝かせていた。
「ようやく夢が実ったという気持ちもありますが、僕のサッカー人生はここからがスタートという思いの方が強いですね」
2019年にJ1の湘南ベルマーレに加入した鈴木は、公式戦27試合に出場し、プロ1年目から高いパフォーマンスを発揮して存在感を放った。2年目の昨季は11月に両側慢性扁桃腺炎の手術を行ったものの、左サイドを主戦場に公式戦14試合でピッチに立った。
「チームには感謝しているし、なかでも曺(貴裁・現京都監督)さんには、ボールへの執着心や個の強さの重要性など、自分が成長するにあたっていろいろなことを学ばせていただきました」
いずれは長友からポジションを奪いたい
今後はローザンヌでの活躍次第で同クラブと提携する仏1部の強豪ニースへのステップアップ移籍の可能性も開ける。俊敏性や精度の高い左足からのキックを武器とするアタッカーは、まずは定位置確保が目標となる。
「途中から入る難しさもあるし、求められるレベルも高いと思います。その中で大切になるのが信頼。そこを半年間でつかめるようにしたい。(定位置が確保できれば)次のターゲットも見えてくる。とにかく向上心を持ってやるしかない」
東京五輪については「出るからには金メダルを」という思いもあるが、今はローザンヌで試合に出ることを第一に考えている。もちろん、日本代表としてピッチに立つ青写真も描く。
「同じ左サイドバックには長友(佑都)選手が長年活躍している。代表で一緒にプレーしていろいろ学びたいですね」
いずれは長友からポジションを奪いたいという気概もある。
「長く代表でプレーできる選手に」
海を渡った20歳は覚悟を持って挑む。
鈴木冬一Toichi Suzuki
2000年5月30日、大阪府生まれ。'17年にU-17W杯で全4試合に出場。'19年に長崎総合科学大附高から湘南ベルマーレに加入。同年3月9日の鹿島アントラーズ戦でJデビュー。'20年12月にスイス1部ローザンヌへの完全移籍を発表。165cm、61kg。