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ロッテがホークス相手に健闘の理由 先発&救援の軽い負担、安田と藤原に続く有望株も【記録で振り返り】 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2021/01/19 17:07

ロッテがホークス相手に健闘の理由 先発&救援の軽い負担、安田と藤原に続く有望株も【記録で振り返り】<Number Web> photograph by JIJI PRESS

昨季25本塁打のマーティンとホークスキラーとして5勝を挙げた美馬学。今季も主力として期待がかかる

 同じ「先発投手陣が頑張っている」といってもセ・リーグの中日や巨人と、パ・リーグのロッテでは大きく異なる。

 セでは大野雄大、菅野智之などエースの腕に依存するが、パではロッテのように1人の先発に負担がかからないように配分してローテを回すのだ。

チーム完投数4も、救援投手陣の投球回は最小

 ロッテのチーム完投数は4、大野雄大ひとりで10完投の中日とは大いに異なる用兵だったと言えよう。

 先発陣がイニングを長く投げたことによって、救援投手陣は負担が軽かった。

 ロッテの先発投手陣は、パ・リーグ最多の700.2回を投げたが、救援投手陣は最少の355回なのだ。

<主な救援投手陣>
益田直也 54試3勝5敗31SV 5HD 52回 率2.25
小野郁 40試2勝2敗0SV 4HD 39回 率3.23
東條大樹 39試1勝1敗0SV 5HD 28.1回 率2.54
ハーマン 38試3勝2敗1SV 23HD 37.2回 率2.15
唐川侑己 32試1勝1敗0SV 14HD 30.1回 率1.19

 30試合以上投げた投手はパ・リーグに35人いたが、このうちロッテは最少の5人。しかしこの5人は粒ぞろいだ。

 セットアッパーのハーマンに唐川、中継ぎの小野、東條、そしてクローザーの益田。いずれも良い働きをしたし、シーズン途中から加入した澤村拓一も好投を見せた。左投手がいないのはやや気になるが、先発・救援ともに負担が少なかったことが、新型コロナ禍の戦力ダウンにもかかわらずシーズン通して戦うことができた要因だろう。

吉井投手コーチの復帰と「代役」の活躍

 2019年からロッテには吉井理人投手コーチが復帰している。吉井コーチは筑波大学でコーチング理論を学び、投手起用についても最先端の考え方を有している。その成果が表れたのではないか。

 そして、新型コロナ禍でもロッテが健闘することができたもう1つの要因は、「代役」が活躍したことだ。

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