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【春高バレー】驚き! 身長210センチ牧大晃の柔らかい動き “宝”を預かる若手監督の近道しない指導とは?
posted2021/01/14 06:00
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Sankei Shimbun
身長210cmの高校2年生。それだけでも日本の男子バレーボール界にとっては夢のある話だが、1月5日から開催された春高バレーで、高松工芸高校の牧大晃(ひろあき・2年)が見せたプレーは、さらなる衝撃をもたらした。
大型選手に対して周囲が勝手に描いていたイメージを、牧は次々に覆していく。動きがいい。柔らかい。器用。
まだバレーボール歴が4年半ほどで、高校で初めて経験する全国大会ということもあり、初戦の立ち上がりはガチガチに緊張し、ジャンプサーブがネットの下をくぐってしまうほどだった。だが徐々に緊張がほぐれるにつれ、スケールの大きなプレーで存在感を放った。
万全の状態で踏み込めば、打点は相手ブロックのはるか上。そこから重量感のあるスパイクを打ち込み、レシーバーを吹っ飛ばす。強打だけでなく、相手コートを俯瞰して、空いているところにヒョイと落としたり、ブロックを利用するなど相手の嫌がるプレーも得意だ。後衛でも常に攻撃に参加し、ライト、センター、レフトと動き回ってどこからでもバックアタックを打てる。
しかも攻撃やブロックだけでなく、アウトサイドヒッターとしてサーブレシーブにも入る。オーバーハンドでの返球も器用にこなし、バレーセンスを感じさせる。
高松工芸の淵崎龍司郎監督はこう話す。
「ボールコントロールなどを見ると、もともと持っているセンスがあると感じます。そういうセンスというのは鍛えることが難しい部分なんですが、じゃあなぜできるのかと考えたら、小学校の時にサッカーをやったり、遊び心を持っていろんなことに手を出して、経験してきたからなんじゃないかと思います」
「レシーブができない」と言われないように
牧自身は、まだサーブレシーブに苦手意識があると言うが、「『身長が高い人はレシーブができない』と言われないようにしたい」と負けん気ものぞかせる。
目標としている選手は、パナソニックパンサーズの久原翼だと言う。サーブレシーブの安定感を武器とするアウトサイドだ。
「日本代表で海外と対戦した時に、久原さんは二段トスの打ち方だったり、そういうプレーがうまかったし、サーブレシーブも上手だったので、すごいなと思って」