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久保建英、加入数日でヘタフェ監督が“信頼のハグ” 解任論を封じた「才能を解き放つ」好プレー集【激写】

posted2021/01/13 17:01

 
久保建英、加入数日でヘタフェ監督が“信頼のハグ”  解任論を封じた「才能を解き放つ」好プレー集【激写】<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

躍動した背番号5の久保建英。「写真を見返すと、逆転につながるシュートには喜びだけでなく、少し安堵したようにも感じました」(中島氏)とのこと

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中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

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Daisuke Nakashima

 ラ・リーガの試合撮影などを精力的に行っている現地在住の日本人フォトグラファー中島大介氏のオリジナル写真を定期的に掲載している(※写真は関連記事からもご覧になれます)。

 この週末は現地時間8日にヘタフェへの期限付き移籍が決まったばかりの久保建英の“ヘタフェ初陣”を撮影するため、バレンシア州のエルチェへと足を運んだ。スペインではこの週末、マドリードを中心とした大雪によって延期になった試合があり、エルチェvsヘタフェも当初の日曜日開催から1日ずれた。

 久保自身も全体練習をしないまま公式戦に臨んだものの、途中出場ながらいきなり2得点に絡む活躍を見せた。現地紙でも「才能を解き放った」(AS紙)、「新たな主役候補」(ムンド・デポルティーボ紙)などの賛辞が並ぶ中、実際にファインダー越しに捉えた久保はどんな様子だったのか、見ていこう。

地元カメラマン「なんで久保は5番なの?」

 スペインにはめずらしく、エルチェの本拠地は住宅街からはずいぶん離れたところにポツンとあります。ちょうど夕焼けが反射して綺麗でした。

 移籍発表から3日、マドリーを中心に起きた雪害のせいで、久保は一度も全体練習をできませんでした。それでもベンチ入りとなり、期待の大きさが表れていました。撮影する限りでは特に気負った表情はなく、その時点では出場はないかもなと感じました。

 また地元カメラマンも、メンバーが発表された際、久保がメンバーに入っているのか気にしていました。そして……「なんで背番号は5番なんだ?!」とも笑っていました。

 ヘタフェはアップの際から本格的に1対1で仕掛ける練習をしており、結構珍しく感じました。戦術的に、ドリブルが得意なサイドアタッカーの重要性があり、ヘタフェでの久保の立ち位置に期待できそうです。また久保と同じタイミングで加入したアレニャはところどころ、練習法を確認しながらこなしており、チームへの融合が間近であることを感じさせました。

 雨の無観客はやはり寂しさを感じます。スタジアムに入る直前から雨が降り始め、「全く雨予報ではないのに!」と現地カメラマンも困惑気味でした。個人的には以前にも何度か記しているかもしれませんが、雨の試合で久保の印象的なプレーを撮影できていることを思い出して、“もしかしたら”という思いを持ってキックオフを迎えました。

先制を許すもバルサ下部組織出身ククレジャが

 先制点はエルチェのラウール・グティが挙げました。サラゴサで香川の同僚だったようです。格下相手の先制点献上ということもあり、徐々に久保出場の可能性の高まるのでは――そう計算しながら様子をうかがっていました。

 ヘタフェで同点ゴールを奪ったのはククレジャ。アレニャ、久保とともにバルサの下部組織出身のアタッカーは、試合終了まで神出鬼没の動き。撮影していても分かるほどの精力的な運動量でした。

【次ページ】 絶対的エースの勝ち越しゴールをお膳立て

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