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【電撃退団に批判】本田圭佑に在ブラジル日本人「敵前逃亡。我々も嘲笑される」 振り返れば残念な“1年前の会見”
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2021/01/01 17:01
さしたる結果をボタフォゴで残せなかった本田圭佑。キャリアのピンチに立たされたのは確かだ
実は、僕自身は本田のプレー内容とチームの成績によっては、地元メディアとサポーターからの手のひら返しがありうると考えていた。2月8日の入団会見で、本田にこう質問している。
「近年、ボタフォゴは成績が低迷しており、クラブの財政状況も良くありません。昨日、空港でもあなたを歓迎する一方で、会長と監督は罵倒されていました。
この国のサポーターはすぐに手のひらを返します。このような状況で、どのような心構えでプレーするつもりですか?」
本田は、目を大きく見開いて答えた。
「この数年、ボタフォゴがいいシーズンを過ごせていないとしたら、それは僕個人にとってもボタフォゴにとってもチャンスであり、ポジティブなこと。これからチームとして頑張ったら、みんなで上へ行ける。そのためにベストを尽くす。これまで自分が経験したことを、全部、このクラブに置いていきたい」
このときの精悍な顔つき、目の輝き、気持ちがこもった言葉を聞いて彼が非常に強いモチベーションを抱いていると感じ、「これは相当に期待できそうだ」と考えた。
当初は「退団しない」と言っていたのだが
また、12月初め、最初にポルティモネンセからのオファーが報じられた際、本人は「自分のプライドにかけても(この時期に)退団はしない」と語っており、その言葉を信じて疑わなかった。
何より本田には「逆境に強く、逆境を楽しみながら乗り越えてみせる男」というイメージがあったから、「極めて厳しいこの状況をどう盛り返すか、ここからが見ものだ」と考えていた。
それだけに、このような結末を迎えたことが残念でならない。
本田本人は、すでに前を向いている。31日の「NOWVOICE」で、2021年についてこう語っている。
「ここから大活躍しないと、東京五輪には選ばれない。怪我を治して、2月からギアを上げていく。5月までの4カ月が勝負だ」
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。