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私が年度代表馬を選ぶなら 「あの馬の血がここまで…」30年は忘れられない強烈な歴史的GIレース
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2020/12/30 17:02
2020年のJRA賞年度代表馬はおそらくアーモンドアイだが…
意表をついたものが歓迎されるのだが
候補を整理すると、アーモンドアイ、デアリングタクト、コントレイル、グランアレグリア、クロノジェネシス、ラッキーライラック、ソダシ、フィエールマン、ダノンザキッド、レイパパレの10頭。
こういうのは、意表をついたものが歓迎される。
例えば、ダイワメジャーが安田記念とマイルチャンピオンシップを勝ち、半妹のダイワスカーレットが桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯を制し、有馬記念で2着(ダイワメジャーは3着)になるなど活躍した2007年、「年度代表馬はスカーレットブーケです」と言った人がいた。スカーレットブーケは、メジャーとスカーレット兄妹の母である。
なお、その年の実際の年度代表馬はドバイデューティーフリー、宝塚記念、ジャパンカップを制したアドマイヤムーンだった。
できれば気の利いたことを言いたいのだが、やはり、候補を挙げておきながら、それ以外の馬を選ぶのはよくないと思う。決めた。
20年どころか、生きていれば30年は忘れないレース
クリストフ・ルメールは、アーモンドアイで天皇賞・秋を勝ったあと、言葉を詰まらせながら「みんな、これから20年間、アーモンドアイのGI8勝を忘れないと思う」と語った。
確かにそうだと思う。が、私は、ソダシがGIを制したことを、20年どころか、もし生きていれば30年は忘れない。というか、忘れられないと思う。
そのくらい、日本初、そしておそらく世界初の白毛馬によるGI制覇は強烈だった。
アーモンドアイがGI7勝の壁を超えたときも「ついにここまで来たか」と感慨深いものがあったが、シラユキヒメから始まるこの白毛一族が、孫の世代にしてGIを勝ったときも、同じことを、より強く感じた。シラユキヒメの血が、ついにここまで来たか、と。