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私が年度代表馬を選ぶなら 「あの馬の血がここまで…」30年は忘れられない強烈な歴史的GIレース 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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posted2020/12/30 17:02

私が年度代表馬を選ぶなら 「あの馬の血がここまで…」30年は忘れられない強烈な歴史的GIレース<Number Web> photograph by Photostud

2020年のJRA賞年度代表馬はおそらくアーモンドアイだが…

「マキバオーが生まれたから見に来いよ」

 以前、私は、ノーザンファームでシラユキヒメをお産で取り上げた人に話を聞いたことがあった。

 鹿毛の母馬からピンク色の仔馬が出てきた。未熟児で毛のない馬はときおりいるのだが、お産が遅れていたのにこんな色をしているのはおかしいな、と思いながらタオルで羊水を拭き取った。やがて毛が乾くと真っ白になった。白毛に触ったのは初めてだったが、ほかの毛色であるはずがないので、すぐに白毛だと認識した。そして深夜だったが仲間に電話をし、「マキバオーが生まれたから見に来いよ」と言ったという。

 1996年4月4日のことだった。

 それから24年、「マキバオー」の孫がGIを勝ったのだ。

 日本で初めて白毛のサラブレッド(ハクタイユー)が生まれたのは1979年。それからは41年後ということになる。

勝負根性は感動的でさえあった

 長い時の流れを経て、4戦4勝で阪神ジュベナイルフィリーズを制したソダシは、やはり特別な存在だ。無敗で頂点に立ったこともさることながら、ゴール前で一度はかわされながら差し返した勝負根性は、感動的でさえあった。

 ということで、私の個人的な年度代表馬はソダシである。

「つよ美しい」ソダシは、来春のクラシックでどんな走りを見せてくれるのか。楽しみでならない。

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