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私が年度代表馬を選ぶなら 「あの馬の血がここまで…」30年は忘れられない強烈な歴史的GIレース
posted2020/12/30 17:02
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Photostud
来年の年明けに発表される、2020年のJRA賞年度代表馬は、おそらくアーモンドアイ(牝5歳、父ロードカナロア、美浦・国枝栄厩舎)だろう。例外もあるが、年度代表馬に選出されるには、その年に勝ったGIの数がひとつの基準になっていると思われる。アーモンドアイは、ヴィクトリアマイル、天皇賞・秋、ジャパンカップとGIを3勝した。
牝牡の無敗の三冠馬デアリングタクト(牝3歳、父エピファネイア、栗東・杉山晴紀厩舎)とコントレイル(牡3歳、父ディープインパクト、栗東・矢作芳人厩舎)も、今年GIを3勝している。とはいえ、やはりこれら3頭の三冠馬が激突したジャパンカップが「年度代表馬決定戦」だったと見るのが普通だろう。
もう1頭、グランアレグリア(牝4歳、父ディープインパクト、美浦・藤沢和雄厩舎)も安田記念、スプリンターズステークス、そしてマイルチャンピオンシップとGI3勝をマークした。安田記念ではアーモンドアイを2着に下しているのだが、勝ったレースの格で、アーモンドアイに一歩譲る。それに、アーモンドアイは、数々の名馬を弾き返してきた芝GI7勝の壁を打ち破り、芝GI9勝目をマークした功績が高く評価されるはずだ。
個人的年度代表馬の候補は
では、筆者が個人的な評価基準で、20年の年度代表馬を選ぶとしたらどの馬か。
上記4頭はもちろん候補になる。
ほかでは、宝塚記念をレース史上最大の6馬身差で圧勝し、有馬記念も制して春秋グランプリ制覇を達成したクロノジェネシス(牝4歳、父バゴ、栗東・斉藤崇史厩舎)、大阪杯を制し、エリザベス女王杯を連覇したラッキーライラック(牝5歳、父オルフェーヴル、栗東・松永幹夫厩舎)、白毛馬として史上初のGI制覇をなし遂げたソダシ(牝2歳、父クロフネ、栗東・須貝尚介厩舎)も大きな存在感を示した。
今年の牝牡混合古馬GIで牡馬として唯一の勝利(天皇賞・春)を挙げたフィエールマン(牡5歳、父ディープインパクト、美浦・手塚貴久厩舎)と、昨年のコントレイルに似たローテーションでホープフルステークスを制したダノンザキッド(牡2歳、父ジャスタウェイ、栗東・安田隆行厩舎)も頑張ったし、秋華賞を除外されながら無傷の5連勝でチャレンジカップを勝ったレイパパレ(牝3歳、父ディープインパクト、栗東・高野友和厩舎)もいい仕事をした。