猛牛のささやきBACK NUMBER
難病と闘うオリックス西浦颯大、医師に「復帰は8割強無理」と言われても淡々と前を向ける理由
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKyodo News
posted2020/12/28 17:01
両側特発性大腿骨頭壊死症と診断されたオリックス西浦颯大。育成契約を結び、再起を目指す
日ハム・近藤健介を目指して打撃を強化
昨オフ、西浦は打撃強化にすべてを注いだ。目指す姿は、高い出塁率を誇る日本ハムの近藤健介だと語っていた。
「近藤さんは、追い込まれても全然嫌そうじゃない。いや、嫌だとは思いますけど、そういうふうに見えないんです。余裕があるというか。だから近藤さんの真似からやってみて、いろいろ試していきたい」
そう話していたが、今年は打率.187と昨年を下回り、出場試合数も49試合にとどまった。
「昨シーズンに比べて、バッティングがまったく成長していなかった」と悔しがる。
まだまだ、やり残したことがたくさんある。
「まだ3年しか(プロ野球選手を)やってないので、まだまだやりたいという気持ちは強いです」
手術後にピース写真をアップ
12月21日、西浦は京都市内の病院で左大腿骨頭掻爬(そうは)骨移植術を行った。そして手術を行ったその日に、SNSを更新した。
<Twitter原文>
成功したみたいです
麻酔覚めてからの30分は生き地獄でした
次は右足か。。。
リハビリ頑張ります
手術後にベッドの上でピースをする自身の写真とともに投稿した。
過酷な状況でも、応援してくれる人たちを早く安心させたいという心遣いと、少しの強がりと、復帰への強い意志はなくさない。
先人のいない闘いが始まった。西浦が復活の1人目になることを信じて待っている。