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駅伝2冠を狙う駒澤大に“新・山の神”現る? 13年ぶりの箱根駅伝制覇と「黄金時代」再来の条件 

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酒井政人

酒井政人Masato Sakai

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photograph byAsami Enomoto

posted2020/12/22 06:00

駅伝2冠を狙う駒澤大に“新・山の神”現る? 13年ぶりの箱根駅伝制覇と「黄金時代」再来の条件<Number Web> photograph by Asami Enomoto

全日本大学駅伝を制した駒澤大の大八木監督とエース田澤廉。2冠、そして黄金時代の再来をかけて箱根路をゆく

駒大が苦手な区間を最後に制したあの“選手”

 ポイントはズバリ、2区と5区になるだろう。総合12位に沈んだ18年は2区が区間13位、5区が区間16位。総合8位に終わった前回は2区と5区がともに区間13位と苦戦した。実は駒大にとって鬼門といえるのが2区と5区なのだ。

 駒大は選手層が厚く、安定感のあるレース運びをするチーム。しかし、2区と5区は特別な力を持った選手でないと上位で走ることはできない。代替できない区間だ。

 なお駒大勢の2区制覇は86年までさかのぼらないといけない。そのとき区間賞を獲得しているのが当時27歳の大八木監督だった。

 駒大は大八木監督が指揮を執るようになり、箱根駅伝で4連覇を含む6度の総合優勝を飾っている。駒大の勝ちパターンは1区から上位につけて、2区をうまくつなぎ、3~5区で反撃。トップと僅差で折り返して、6~9区での逆転だった。優勝6度のうち、4度が復路での逆転Vになる。

「前回の相澤さんを超しますとは言えないけど」

 2区に関しては田澤が学生長距離界のエースと呼べるだけの選手に成長したのが大きい。12月15日のオンライン会見では、「3区を走って、区間賞、区間新記録を目指したいと思います」と田澤は話しているが、2区での起用が濃厚だと考えていいだろう。

 ケニア人留学生とガチンコ対決できる区間は、世界を目指す田澤にとっては勝負するべき場所。10000mのタイムと全日本8区の走りを考えると、20kmまでは快調に駆け抜けるだろう。問題は残り3kmで待ち構える強烈な上り坂だ。終盤の走りでタイムが大きく変わってくる。区間記録は前回、東洋大・相澤晃(現・旭化成)が打ち立てた1時間5分57秒。この記録にどこまで迫ることができるのか。

 10月中旬に田澤を取材したときは、「特に希望区間はありません。でも、チーム状況を考えると2区になるんじゃないかなと思っています。もちろん区間賞を狙いにいきますよ。さすがに前回の相澤さんの記録を超しますとは言えないですけど、前年までの日本人最高記録(1時間6分45秒)はクリアしていきたいです」と話していた。

 世界大会で勝負していくには、卒業までに“相澤超え”を果たすことが田澤の使命であるような気がする。今回が最初のチャレンジになるだろう。

【次ページ】 1年生を“山”の5区に起用してくるか

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