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年俸「120円」の42歳Jリーガーが月20万円の個人スポンサーを断ったワケ 監督は「考え方が違うんだよなあ」

posted2020/11/08 11:02

 
年俸「120円」の42歳Jリーガーが月20万円の個人スポンサーを断ったワケ 監督は「考え方が違うんだよなあ」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

対談において、プロとしての報酬に対する見解が異なったシュタルフ悠紀リヒャルト監督(左)と安彦考真

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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Hideki Sugiyama

Jリーグ最年少の34歳で就任したシュタルフ悠紀リヒャルト監督と、最年長記録となる41歳1カ月9日でJリーグデビューした安彦考真選手の対談の後編です。(全2回、前編は記事最終ページ下の「関連記事」からもご覧になれます)

 シュタルフのセカンドシーズン、安彦のラストシーズン。

 J3のY.S.C.C横浜は2019年度クラブ経営情報開示資料によればJリーグ全クラブのなかで営業収益が2億400万円と最も少なく、過去3シーズン連続で最下位を記録している言わば弱小クラブ。

“J最年少”シュタルフ悠紀リヒャルト監督のもとで2019年シーズンは前年の15位から13位に順位を伸ばし、クラブとしてチームとして一歩前進した。

 一方、年俸120円のJリーガー、安彦考真は最年長デビューを果たしたものの、ピッチ内で貢献できないもどかしさがつきまとう。42歳を迎える2020年シーズンが始まる前に今シーズン限りで現役にピリオドを打つと決めることで己を追い込んできた。

 チームは下位から浮上できない厳しいシーズンになってはいる。残り1カ月半、2人の思いは今どのように交差しているのか――。

何かをつかむためには、何かを手放さないといけない

――安彦さんは年俸120円という点でも注目を集めました。ただ個人スポンサー契約で月20万円ほど収入を得ていたんですよね。それを今年は自分のほうから辞退したと聞いています。

安彦 決まって入ってくるお金があると、どうしても甘えちゃうんですよね。凄くありがたいんですけど、最後この1年って決めたし、自分を追い込む意味もあって。

 Jリーガーになるっていうこの挑戦を始めたときに、一度お金から離れたわけじゃないですか。何かをつかむためには、何かを手放さないといけない。あれもこれも持っていたら、つかめないという思いが自分のなかにはある。だから(お金を)手放したんです。

 コロナ禍でもしリーグが中止になっていても、今年で最後。自粛期間で断食をやったり、食生活やトレーニングもこだわってやってきました。とにかくこの1年をやり切ろう、と。

シュタルフ そこ(報酬について)はアビさんと考え方が違うんだよなあ。

安彦 確かにプロとしては(考え方が)違うのかもしれないけどね。

【次ページ】 プロとしての評価をオカネでしてほしかった

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