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アーモンドアイのベストレースはこれだ! 「特別な牝馬だと思う」ルメールも驚いた強烈な一戦とは
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byAFLO
posted2020/12/18 11:02
アーモンドアイが日本中の競馬ファンに衝撃を与えたレースは、とんでもなくハイレベルな戦いだった
「残り300mからずっと加速するのは珍しい」
ラッキーライラックとの着差こそ1馬身3/4だったが、アーモンドアイから1秒以内に10頭が入る、比較的かたまってのゴールだった。しかし現実の着差以上の力の差をドーンと見せつけられた。筆者がすぐに思い出したのは、軽く追っただけで2着を8馬身突き放した87年のマックスビューティの桜花賞だった。
のちにそう国枝調教師に話すと「テスコガビーの桜花賞も近いイメージだったよね」と、2着に1秒7というマイル戦とは思えない大差をつけた75年の牝馬二冠馬を引き合いに出した。
アーモンドアイは最後は流すようにゴールしたのだが、それでも、厩舎の先輩で10年に牝馬三冠を制したアパパネの記録をコンマ2秒更新する1分33秒1のレースレコードで走り切った。
主戦のクリストフ・ルメールは、このレースを振り返って、「残り300mからずっと加速するのは珍しい。特別な牝馬だと思う」とコメントしている。
ラッキーライラックの引退レースにも
とにかく、初めて見せられるものだらけの、とてつもないレースだった。
ともに世界を驚かせたロードカナロアとオルフェーヴルという新種牡馬の産駒のワンツーフィニッシュだったこの桜花賞は、繰り返しになるが、アーモンドアイとラッキーライラックの1、2着となった、超ハイレベルな歴史的一戦だったと言える。
ラッキーライラックが引退レースとなる有馬記念を勝てば、この桜花賞の価値がさらに高まる。
そうなれば、またあらためて、「アーモンドアイってすごかったよなあ」と、あの強烈な走りの思い出に浸ることができそうだ。
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