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「三強すべて馬券外」「3連単339万円超」なぜエリザベス女王杯で大波乱が起きたのか? 主役となった10番人気アカイイトの“大胆戦術”
posted2021/11/15 11:15
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Photostud
「三強」すべてが掲示板を外す大波乱となった一戦を制したのは、これがGI初挑戦という伏兵だった。
第46回エリザベス女王杯(11月14日、阪神芝内回り2200m、3歳以上牝馬GI)で、幸英明が騎乗する10番人気のアカイイト(4歳、父キズナ、栗東・中竹和也厩舎)が2馬身差で優勝。重賞初勝利をGI制覇で飾ったと同時に、キズナ産駒としてのGI初制覇をなし遂げた。
1番人気のレイパパレは6着、2番人気のアカイトリノムスメは7着、3番人気のウインマリリンは16着だった。
アカイイトを導いた幸の「大胆なマクリ」
道中、後方5番手に控えていたアカイイトは、3、4コーナー中間地点で外から加速。ラスト600m付近で一気に前をかわしにかかり、直線入口では先頭のレイパパレとの差を1馬身ほどに詰めていた。
「GIですし、阪神の内回りということもあって、早めに動いて長くいい脚を使わせたいというイメージで乗りました。最後は絶対に伸びてくれると信じていました」
大胆なマクリの戦術について、幸はそう振り返る。
幸は、内に刺さりそうになるアカイイトの進路を右鞭で修正しながら叱咤し、前を行くレイパパレを追い詰める。
ラスト100m付近でアカイイトがレイパパレをかわした。そこからさらに伸び、追い込んできた2着のステラリアに2馬身の差をつけ、先頭でゴールを駆け抜けた。
「思ったよりも早く前をつかまえて、最後は一頭になっていたので、あとはもう必死に追っていました」