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アーモンドアイのベストレースはこれだ! 「特別な牝馬だと思う」ルメールも驚いた強烈な一戦とは 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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posted2020/12/18 11:02

アーモンドアイのベストレースはこれだ! 「特別な牝馬だと思う」ルメールも驚いた強烈な一戦とは<Number Web> photograph by AFLO

アーモンドアイが日本中の競馬ファンに衝撃を与えたレースは、とんでもなくハイレベルな戦いだった

圧倒的な強さを見せるのは難しいコース

 桜花賞は、新設された外回りコースで行われるようになった07年より前は、スタート直後にキツいコーナーがある難しいコース設定になっていた。「テンよし、中よし、終いよし」が好走の条件とされ、序盤から各馬が好位置を奪い合うため激しい消耗戦になった。それゆえ数々の名勝負が生まれ、武豊のシャダイカグラが出遅れ、大外から内に切れ込んで勝った89年のような「伝説」も生まれたのだが、そのぶん、1頭の馬が強さを誇示するレースになることは少なかった。

 今のコースで行われるようになってからもその傾向は大きく変わることはなかった。

 ところが、である。

直線に入り、犬や猫のような走りで…

 アーモンドアイは、直線入口では先頭から7、8馬身離れた後方にいたにもかかわらず、ラスト200m地点で先頭に立ったラッキーライラックを大外から並ぶ間もなくかわし、飛ぶようにゴールを駆け抜けた。

 満を持して抜け出したラッキーライラックがあのまま勝っていたとしても、「強い競馬だった」と讃えられていたはずだ。が、アーモンドアイは、そのさらに上の次元の走りを見せたのだ。それも、直線に入ってから、筆者がリプレイで確認できただけでも6回ほど手前を替えながら、である。「手前」は「軸脚」と説明されることもあり、右回りコースでは右前脚を突き出す右手前でコーナーを回り、直線で左手前に替えて、そのままゴールまで行くのが普通だ。手前を替えるのは苦しくなったときや、逆に力を抜いたときが多いのだが、アーモンドアイはこうしてコロコロ手前を替えながら、上がり3ハロン33秒2という、2番目の馬より1秒も速いタイムを叩き出してしまったのだ。馬というより犬や猫のような走り方と言ってもいい。

【次ページ】 「残り300mからずっと加速するのは珍しい」

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