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太りすぎと酷評のアグエロ&脆い守備 ペップの魔法も効かない不振シティ、何が起きている?
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2020/12/02 17:00
噛み合わないマンチェスター・シティのグアルディオラ監督とアグエロ。チームと自身の“コンディション改善”をできるか
“34歳のメッシ”獲得?あり得ない話だ
このような状況を踏まえたからこそ、多くのメディアが「リオネル・メッシ獲得か」と報じたのだろう。「すでに事前契約!?」という荒唐無稽なニュースも耳にした。
あり得ない。
メッシは来夏、すでに34歳だ。若手、中堅に的を絞ってきたシティの強化プランから遠く遠く、どこまでも遠くかけ離れている。世界中が一目を置く大スーパースターであれ、プレミアリーグのスピード、プレー強度についていけるとは考えにくい。
『シティグループ』に移籍したメッシが、キャリアの晩年をニューヨーク、横浜あたりで過ごす可能性はわずかながらあるとしても、シティへの移籍は無謀すぎる選択だ。
アグエロを「太りすぎ」と酷評したのは……
「太りすぎだ。あの身体つきだと下半身に負担がかかり、ハムストリングや足首、鼠経部の怪我を繰り返す」
現役時はマンチェスター・ユナイテッドのキャプテンを務め、現在は愛情と強烈な毒気がコラボするコメントで人気を博すロイ・キーンが、セルヒオ・アグエロに苦言を呈した。
公称70kgだが、80kg近くあるのでは
確かに大きくなっている。筋肉を増やしたというより、絞り切れていない印象だ。公称70kg!? いやいや、明らかにサバを読んでいる。80kg近くあるのではないだろうか。
173cmの上背で190cm超の大型DFに挑むのだから、肉体改造は必要だ。しかし、近年のアグエロは怪我が増えており、昨シーズンのプレミアリーグは24試合の出場に終わった。今シーズンもすでに2度にわたって戦列を離れている。今後、故障者リストに3度、4度と名を連ねないためにも、体重を落とした方がいい。
ガブリエル・ジェズスが成長しているとはいえ、まだ物足りない。絶妙のタイミングでニアに飛び込んだり、動き直しを繰り返してマーカーから離れたりするアグエロに比べると、相手DFとの駆け引きが少なすぎる。
前線にはアグエロが必要だ。彼を欠いた前線にはボールが入らず、中盤の選手が可能性の低いミドルやロングシュートを多発するケースも増えている。とはいえ、太りすぎではアグエロにも期待は持てない。特別メニューでコンディションを整える時間を与えるか、あるいはグアルディオラがゲームプランを改めるべきか。