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23歳トゥクタミシェワが貫禄の優勝! コストルナヤ、トゥルソワの不調にプルシェンココーチはどう対応?
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byGetty Images
posted2020/11/25 17:03
強力な若手のライバルたちを退け、見事に優勝を飾ったトゥクタミシェワ
コストルナヤは3アクセルなしで2位に
2位は、アリョーナ・コストルナヤだった。SP、フリーとも不調だという3アクセルをプログラムに入れずに挑んだ。
SPは2アクセル、3ルッツ、3フリップ+3トウループをきめて、完成度の高い演技で78.84を獲得。トップに立った。
フリーはシェイリーン・ボーン振付の、映画「W.E.」などのサントラを使った作品。冒頭の2アクセルを余裕で降り、3ループ、3フリップ+3トウループなどをきれいに成功させたが、3ルッツ+2トウループなどコンビネーションのジャンプで回転不足がいくつかあり、フリーは141.94で2位。相変わらず手足のポジションが美しく、スケーティングに伸びがあるが、ジャンプへの入り方が以前ほど流れにのっていないように見えた。総合220.78で、2位となった。
「やるべきことをやろうと思って挑んだけれど、全てがうまくいった訳ではありませんでした」
今後3アクセルをプログラムに戻す予定については、「ロシア選手権までには入れたい」と抱負を語った。
トゥルソワが初めてメダルを逃す
メダルが期待されていたトゥルソワは、SP3位スタートだったが総合で4位に終わった。
フリー「ロミオとジュリエット」ではルッツ、サルコウ、2度のトウループの合計4度の4回転ジャンプに挑んだが、冒頭で連続3度、転倒した。それだけ体に負担がかかったのだろう、後半の4トウループは回転不足となり、最後のジャンプだった3ルッツでも転倒。合計4度転倒という、厳しい結果となった。
氷から上がった彼女を迎えたプルシェンココーチは、彼女を気遣うように顔を覗き込むと、肩に手をまわした。トゥルソワがメダルを逃したのは、2017年にジュニア国際デビューをして以来初めてのことである。このスランプを、プルシェンココーチがどのように乗り越えさせるのか、彼の指導者としての手腕が問われるところだ。
3位には、本大会がシニアGPデビューだった18歳のアナスタシア・グリャコワが入った。