フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
名コーチがコロナで死去…悲しみのGPシリーズロシア大会は手術から復帰したコリヤダが優勝
posted2020/11/24 17:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Getty Images
11月20日~22日、モスクワのメガスポルト競技場でフィギュアスケートGPシリーズのロステレコム杯が開催された。
本来は第5戦目になるはずだったこの大会だが、パンデミックの影響でスケートカナダとフランス杯が中止になり、スケートアメリカ、中国杯に続く第3戦目となった。
無観客で開催され、キス&クライも選手が1人で座るというように感染対策が厳しく施行されたスケートアメリカに比べ、このロステレコム杯はかなりリラックスした雰囲気だった。
間に空席を設けて一般観客が入り、滑り終わったスケーターとコーチがマスク無しで抱き合う姿も見えた。
その一方で記者会見はZoomで開催され、筆者もニューヨークの自宅からリモート取材に参加した。
病気から復帰のコリヤダ、3年ぶりGPタイトル
男子はミハイル・コリヤダが優勝し、2017年中国杯以来2度目のGPタイトルを手にした。
25歳のコリヤダは昨年の10月、長年悩まされてきた副鼻腔炎の手術を受けて、1シーズン休養を取っていた。
そして今年の夏には、子供の頃からついていたコーチを離れて、エフゲニー・プルシェンコなど多くのチャンピオンを育てたアレクセイ・ミーシンのもとに移って新スタートをきったところだった。
SPでは冒頭の4トウループの着氷が乱れたが、残りをノーミスで滑り切って93.34で3位スタート。フリーはイリヤ・アベルブフ振付、ルドルフ・ヌレエフの伝記映画「ホワイト・クロウ」のサントラを使用した、クラシックバレエの動きを取り入れたプログラムだった。4トウループと3アクセルをそれぞれ2度ずつ成功させて188.55を獲得し、総合281.89で逆転優勝を果たした。