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W杯南米予選がカオス…「恥を知れ」とハメスらに批判の嵐 コロンビアが“暴風雨”エクアドルに1-6惨敗
 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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posted2020/11/22 11:03

W杯南米予選がカオス…「恥を知れ」とハメスらに批判の嵐 コロンビアが“暴風雨”エクアドルに1-6惨敗<Number Web> photograph by Getty Images

エクアドル相手の大惨敗にガックリするハメス・ロドリゲス。コロンビアは復調を果たせるのか

 この国は、長いこと南米の“お荷物”に近い存在だった。南米予選では、1998年まで不参加や予選敗退を繰り返した。

 2002年大会の南米予選を突破して悲願のW杯初出場を果たしたが、グループステージ(GS)で最下位敗退。2006年大会で初めてベスト16入りしたが、2010年大会は南米予選で消え、2014年大会は本大会のGSで敗退。2018年大会は南米予選で8位(全10チーム)に沈んだ。昨年のコパ・アメリカ(南米選手権)では、若手主体の日本と引き分けてグループ最下位だった。

クライフの息子は1試合も指揮せず辞任

 その後は監督を解任し、臨時監督を経て今年1月、オランダが生んだ伝説の名手にして名監督だったヨハン・クライフの息子ジョルディ・クライフを鳴り物入りで招聘。ところが、1試合も指揮を執らないまま辞任してしまう(サッカー協会の内紛を知って嫌気がさした、という説がある)。ようやく8月末、アルゼンチン人のグスタボ・アルファロ(58)を新監督に就けた。

 アルファロはアルゼンチン国内の中小クラブの監督を歴任すると、2007年にアルセナル(アルゼンチン)を率いてコパ・スダメリカーナで優勝。昨年は名門ボカ・ジュニオルズを指揮した。

 強化試合をする時間がなく、ぶっつけ本番で南米予選に臨んだにもかかわらず、この結果を出した。地元メディアは監督を「魔術師」と崇め、代表チームを「暴風雨」と呼んで大はしゃぎ。国民も有頂天だ。

コロンビアは国民から叱り飛ばされた

 一方、「暴風雨」になぎ倒されたコロンビアは、地元メディアと国民から「恥を知れ」、「ふがいないにもほどがある」と叱り飛ばされている。

 2014年と2018年のW杯で連続して日本と同組に入り、日本のファンにもお馴染みの国だ(2014年はコロンビアが4-1で大勝したが、2018年は日本が2-1と雪辱)。

 ハメス・ロドリゲス、MFフアン・クアドラド(ユベントス)ら欧州ビッグクラブで活躍するスターを擁する攻撃陣は、南米有数。かつては守備と精神面に弱点があったが、2012年から2018年まで監督を務めたアルゼンチン人の名将ホセ・ペケルマンの指導でこれらの課題が克服されつつあった。

【次ページ】 カルロス・ケイロス監督は解任必至か

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