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悪夢の0-9惨敗も今や昔? サウサンプトンが“二日天下”でもプレミア首位に立てた理由
 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2020/11/15 06:00

悪夢の0-9惨敗も今や昔? サウサンプトンが“二日天下”でもプレミア首位に立てた理由<Number Web> photograph by Getty Images

今季プレミアで好調を保っているサウサンプトン。ハーゼンヒュットル監督の思い描く図を選手たちが体現している

 チームも意識していたのだろう。後半も残りわずかとなった頃に先制点が生まれると、すでにベンチに下がっていたジャンフランコ・ゾラが、ベンチを飛び出してまでゴールを決めたグスタボ・ポジェに抱きつき、主審に怪訝そうに見られていたことを覚えている。

 当時の携帯にスクリーンショットの機能があれば、スタンドにいながらもネットで情報を確認できる環境があれば、間違いなく最新の順位表を写真に記録していたはずだ。

大統領選に絡めて“STOP THE COUNT”

 サウサンプトンの選手たちも、勝てば首位という考えがあったに違いない。

 第5節のチェルシー戦で2 度のビハインドから追いついき(3-3)、続くエバートン戦(2-0)とアストンビラ戦(4-3)では、開幕ダッシュに成功した両チームを倒して自信を増していた。

 ニューカッスル戦を前にした状況は、首位リバプールと3ポイント差で得失点差は同じ。当日リバプールは試合がなかったため、勝てば首位に立てる。実際、フルタイムを終える8分前に勝利を確定するチーム2点目を決めたスチュアート・アームストロングには、他のフィールド選手9名全員が駆け寄る祝福ぶりだった。

 クラブの公式アカウントからは、勝ち点16ポイントの自軍が首位にいるリーグ順位表の写真が、試合終了から20分足らずでツイートされもした。添えられていたメッセージは、“STOP THE COUNT”。

 昨季は獲得するまで18試合を要した16ポイントに8試合で到達したサウサンプトン。これ以上ポイントを獲得するチームが出なければ、プレミア首位のままでいられるわけだ。

 ちなみに“STOP THE COUNT”は、前日にライバル勝利の兆しが見えた選挙で開票ストップをツイッターで訴えた、米国大統領に対するブラックジョークでもある。

 世界各国と同様、大統領選挙の成り行きを見守っていた英国は、2度目のロックダウン開始から2日が経っていた。パブは閉まり、家族以外とはテレビ観戦も許されない事態。サウサンプトンの地元ファンはもちろん、明るい話題に飢えていた全国各地の庶民からも「最高の当て擦り」と歓迎される吉報となった。

【次ページ】 早期解任になっても不思議ではなかったが

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