セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
事務所受付2坪の田舎町クラブだけど、サッスオーロが“サッカーの理想郷”なワケ
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2020/11/13 06:00
流麗なパス回しでセリエAを席巻するサッスオーロ。小さな街のクラブだが、大きな夢を持っている
「いつの日か必ずCLの高みに到達する」
財政の憂いなく、哲学をもって“理想のサッカーを追求せよ”と、背中を押してくれるクラブなどそうそうない。
カネの使い方に理念がある。
パトロンが監督と選手のやる気を引き出す術を知っている。
だから、デゼルビは「サッスオーロはいつの日か必ずCLの高みに到達する」と信じて疑わないのだ。
もはや彼らはノーマークの存在ではなくなった。サッスオーロはこれまで以上に警戒されるだろう。
「それでも、あのCLのアンセムを聞きたいんだ」(MFロカテッリ)
司令塔と指揮官の古巣でもあるミランとの対戦は12月下旬、クリスマス前だ。首位をかけた大一番になるか。
コロナ禍による全国規模の再ロックダウンが危惧されていても、サッスオーロの町は冬の訪れを待ちきれない。