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永里優季インタビュー 男子サッカーの中で感じる「強み」、価値観が変貌した米国生活とは
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byKyodo News
posted2020/11/05 11:00
はやぶさイレブンで笑顔を浮かべながら練習する永里。今の自分に充実感を得ているようだ
狭いコートだと男女の違いを感じる、とは?
――永里さんは2年前にもオーストラリアのブリスベン・ロアーにレンタル移籍しているし、川澄奈穂美選手も今回や過去、古巣のINAC神戸に期限付き移籍されている。それも、このオフ期間を利用して。
「そうなんです。ヨーロッパのチームに期限付き移籍する選手もけっこういますね」
――なるほど。では、話を戻しますが、10月18日の山王FC戦で途中出場してデビューを果たしました。10分ほどのプレーでしたが、4回くらいボールに触って、得点の起点にもなった。スピードはまったく遜色なかったし、何よりすごく楽しそうでした。
「トレーニングも含めて、今のところ、すべてが想定の範囲内だと感じています。フルコートでやっても、スピードでぶっちぎられたり、カウンターに付いて行けないってこともないので。逆に、狭いコートのほうが、ちょっと難しいですね。狭いぶんプレスに来る速度が速い。そこは男女の違い、速さの違いを感じるんですけど、フルコートでは自分の良さが生かせる場面を作りやすい。ただ、そこで自分がプレーできるというより、チームが機能するための役回りをこなせるという意味で、過去に移籍したときと同じことをやれていると感じています」
認知、予測するなどのマインドに差はない
――広いコートで出せている自分の良さとは?
「スペースや相手、味方をしっかりと認知して、予測したうえでの動き出しや、ポジショニングを取ったりするマインドの部分のスピードは、男女差はまったく関係ない。その部分では、周りの選手よりも私のほうが速いと感じるところがあって。だから、そこは自分の良さ、強みなんじゃないかと感じています」
――慣れてくれば狭いコートでも、磨いてきた技術を発揮できるのでは?
「スピード、動体視力の部分でかなり慣れてきているので、続けていけば狭いコートでもやれるようになるんじゃないかな、っていう手応えはあります」