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天皇賞・秋でアーモンドアイのGI8勝を阻む牝馬は… 武豊の偉業継ぎ、ルメールが「令和の盾男」になるか
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2020/10/31 17:03
調整するルメール騎乗のアーモンドアイ。GI8勝の偉業達成に再び挑む
ルメールも「トップコンディション」と
1984年に天皇賞・秋が2000mに短縮されたが、連覇を果たしたのは2002年と03年のシンボリクリスエスしかいない。02年は中山で行われたので、東京で連覇となれば史上初となる。
それだけ中距離界は層が厚く、入れ替わりが激しいわけだが、アーモンドアイなら昨年と同様かそれ以上の走りを見せてくれるだろう。追い切りの動きも素晴らしく、ルメールが「トップコンディション」とコメントする状態にある。
アーモンドアイのGI8勝を阻む馬がいるとしたら
18年のアーモンドアイを含め、過去10年でのべ5頭(ジェンティドンナが2度受賞)が年度代表馬になっていることが示すように、近年は牝馬の強さが目立つ。
今年の天皇賞・秋も「牝馬の時代」らしく、とてつもなく強い牝馬がほかにも出走してくる。前走の宝塚記念を6馬身差で圧勝したクロノジェネシス(牝4歳、父バゴ、栗東・斉藤崇史厩舎)である。
母の父クロフネ譲りの芦毛馬で、そのクロフネを彷彿させる爆発力と、凱旋門賞を制した父バゴから重い馬場を苦にしないパワーとスタミナを受け継いでいる。
アーモンドアイのGI8勝を阻む馬がいるとしたら、今回が初の直接対決となるこの馬が一番手か。
ウオッカとダイワスカーレットによる2cm差の激戦となった08年のように、突出した力を持つ2頭の名牝が歴史的名勝負を演出する可能性もある。
どちらが勝っても牝馬による牡馬相手のGI年間6勝目となり、84年のグレード制導入以降の最多記録となる。