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【ドラフト】オリックス3位・来田涼斗、小6時の“立ち姿”に惚れた女性スカウトが明かす「すごい巡り合わせ」

posted2020/10/30 11:03

 
【ドラフト】オリックス3位・来田涼斗、小6時の“立ち姿”に惚れた女性スカウトが明かす「すごい巡り合わせ」<Number Web> photograph by Kyodo News

オリックスから3位指名を受けた来田涼斗(左)。明石商で共に戦った中森俊介はロッテから2位指名を受けた

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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 今年もドラフト会議が終わった。オリックスは近畿大・佐藤輝明の1位指名を公言していたが、4球団競合の末、交渉権獲得とはならなかった。

 オリックスが最下位にあえぐ大きな要因は得点力不足にあることや、三塁手が固定されていない現状を踏まえれば、即戦力と期待されるスラッガーの佐藤以上に当てはまる1位候補はいなかった。だが、12球団最速で1位指名を公言するも実らず、3年連続で抽選を外した。

 外れ1位で指名したのは“素材ナンバーワン”と言われた福岡大大濠高の右腕・山下舜平大。2位は中京高の外野手・元謙太、3位は明石商高の外野手・来田涼斗と、上位に高校生が並んだ。来年の戦いを思えば不安だが、数年後に目を移せば非常に楽しみな面々だ。

第一印象は「太もも、太!」

 3位の来田はオリックスジュニア出身者として初の指名となった。関西出身の強打者で、大舞台に強く、いろいろな面で可能性を感じさせる。

 来田は部員数が100人にも及ぶ大所帯の明石商で、1年夏から1番打者として甲子園に出場した。

 来田の第一印象は、「太もも、太!」だった。小さく整った顔とは対照的に、体が、特に下半身がとにかくごつい。

 2年春のセンバツで取材した時、どうやってそんなに太くなったのかと聞くと、「冬場のトレーニング期間は、いっぱいご飯を食べて、走り込んでいたので。1日4食で、毎回2合食べていました」と答えた。

「下半身を使って振らないと、どっしりしたスイングができない」という考えがベースにある。下半身を土台にしたパワーと、スピードも兼ね備えているのが大きな魅力だ。

 そのセンバツの準々決勝・智弁和歌山戦で、来田は先頭打者本塁打とサヨナラ本塁打を放つという史上初の偉業をやってのけた。

 特に9回裏に智弁和歌山の小林樹斗から放ったライトスタンドへの一発は、打った瞬間に本塁打とわかる豪快な一打。「ボールが止まって見えた」と語っていた。

 同級生のエース中森俊介とともに、昨年は春、夏の甲子園ベスト4入りに大きく貢献し、スカウトから注目され続けた。

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