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【ドラフト裏話】日本ハム史上初、北海道出身1位・伊藤大海が獲れてもスカウトが“はしゃがなかった”ワケ

posted2020/10/29 17:03

 
【ドラフト裏話】日本ハム史上初、北海道出身1位・伊藤大海が獲れてもスカウトが“はしゃがなかった”ワケ<Number Web> photograph by Kyodo News

ドラフト翌日の27日、白井康勝担当スカウト(左)は大渕隆スカウト部長とともに1位指名した伊藤大海をたずねた

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高山通史

高山通史Michifumi Takayama

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 運命の糸がつながるのは、たった1人だけである。その瞬間が到来することを信じ、待ち焦がれて1年間、標的を追いかける。

 2020年のドラフト会議は10月26日に開催された。広報として同行した。午後5時からスタートし、会場を後にしたのは午後10時だった。

 日本全国にエリアごとに配置された各スカウトは、既に帰路へ就いていた。各地へと、また戻っていった。2021年へ向け、スカウティングをスタートしたのである。

 自身が担当する選手が交渉権を獲得したスカウトもいる。反面、他球団との兼ね合い、巡り合わせで、指名選手に恵まれなかった者もいる。カバーするエリアの有望選手の質、数にも左右される。その年の球団の補強方針に合致せず、強く推薦した選手の指名が見送られるケースもある。

 北海道日本ハムファイターズは今年、1位で苫小牧駒澤大学の伊藤大海投手を指名した。単独で、抽選を行うことなく交渉権を獲得できた。

今年でスカウト転身10年目

 今年、良縁に恵まれたのは北海道・東北地区を担当する白井康勝スカウトである。1年に1球団で1人だけの最上位指名選手の担当になった。現役時代は、本格派右腕で鳴らしたOB。少年少女を指導する「北海道日本ハムファイターズ・ベースボールアカデミー」の講師を経て、2011年から現職を務めている。ドラフト外でプロの門をたたき、ハングリーに活路を開いていった。ドラフトの重み、価値を知る適任者である。

 スカウトへと転身して節目の10年目、伊藤投手を射止めた。

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