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ドラフト当日のウラ側 「まさかの1位指名!」そのとき所属企業の広報室は…【ソフトバンク佐藤直樹の場合】
text by
鼠入昌史Masashi Soiri
photograph byKYODO
posted2020/10/26 06:00
ソフトバンクから1位指名を受け、ポーズをとる佐藤直樹(昨年のドラフトで)
「まさか1位指名されるとは……」
そうして準備を整えて迎えるドラフト当日。広めの会見場を用意して、ドラフト会議の進行を見守る。指名されたらできるだけ速やかに記者会見を始めなければならない。佐藤選手の指名順位は、まさかの1位。ソフトバンクが東邦高校の石川昂弥を指名したものの競合。抽選で外れて“外れ1位”で佐藤選手を指名したのだ。
「上位で指名されるだろうとは想定していたんですが、まさか1位指名されるとは思っていなかった……というのが正直なところです(笑)。もう大盛りあがりですよね。メディア対応もありますが、それ以上に私たちの仲間が1位指名されたという嬉しさのほうが大きかった。これまでもドラフト指名された選手はいましたが、1位指名は初めての経験でした。それにソフトバンクの福岡と広島は私たちの山陽新幹線で一本ですから」
取材殺到も「12月まで通常勤務」
記者会見は一度始まってしまえばいつもどおりつつがなく。もちろん福岡からの記者も来ていたという。ただ、ドラフト当日が終わっても一件落着とはいかない。それ以降、球団からの指名挨拶や入団合意契約など、メディア対応を必要とするイベントが続くのだ。
「球団からはドラフト翌日に早速指名挨拶に来ていただきました。その際には球団の広報も同行していただいて、連携を取りながら対応しました。入団合意契約の際には私たちが中心となって取材を取り仕切っています」
そしてメディア対応はこれだけではない。プロ野球に1位指名された未来のスター選手となれば、各所からの取材依頼も殺到するのだ。ドラフトで指名されてもすぐにプロ野球選手になるわけではなく、まだしばらくはJR西日本の社員のひとり。実際、佐藤選手は12月いっぱいまでJR西日本に在籍、12月9日まで通常通り勤務もしていたという。その間の取材対応はJR西日本広島支社が取り仕切らねばならない。